【冬キャンプ】実体験で分かった装備のポイントと注意点

長野県の冬キャンプシーンを盛り上げるプロジェクト「Nagano Fuyu Camp Lab.」”冬キャン”はハードルが高いイメージですが、ポイントを押さえれば楽しく快適に過ごせます。実践と研究を重ねてきた研究員が、自らの経験を元に学んだ冬キャンプの注意点や装備のポイントなどを長野県内で通年営業のキャンプ場と併せご紹介します。

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「冬キャンプって何が面白いの?」冬キャンをまだ経験したことない人からはそんな声が聞こえてきそうですが、冬のキャンプは夏にはない魅力がたくさんあります。

景色を楽しむ

まずは景色が素晴らしいこと。冬は空気が澄んでいるので星空もばっちり。夏よりきれいに見えます。星空だけでなく、太陽の光を反射してキラキラ光る雪景色や日の出も言葉にならないくらい美しく見えます。キンと冷えた空気の中でお酒やコーヒーを片手に絶景を楽しむのがおすすめです。

冬キャンプでの朝の光景
朝の風景

寒いからこそ焚き火が面白い

キャンプの醍醐味といったら焚き火。特に冬キャンプでは焚き火が生命線といっても過言ではなく、寒いからこそ焚き火の暖かさが体に沁みます。普段の生活では焚き火をする機会もないので、冬キャンプでは思いきり楽しみたいもの。火を囲めば自然と会話も進みます。バーベキューをしたりマシュマロを焼いたりするのもよし。焚き火をぼーと眺めてゆっくりするのもおすすめです。

焚き火でマシュマロ焼きも楽しい

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まだまだ魅力がたくさん

夏とは違い、虫が少ないのもうれしいポイント。夏場のキャンプだとハチやアブに刺される危険もありますが、真冬だとリスクはほぼゼロ。虫嫌いな人にも冬キャンプはおすすめです。また、冬のキャンプ場は夏場より人出が少ないので静かに大自然を満喫できます。さらに、雪があるフィールドでは思いきり雪遊びできるのも魅力の一つです。

静かに大自然を満喫できる冬キャンプ
静かに大自然を満喫できる冬キャンプ

魅力がたくさんある冬キャンプですが、特に初心者にはトラブルがつきもの。実際に研究員が経験したトラブルをご紹介します。

雪がありすぎ!

圧雪されていないフカフカの新雪が積もっている場合は、雪かきをまずしなければテントやタープの設営ができません。これが結構大変。設営そっちのけで雪遊びしていると体力が持ちません。雪かきもみんなでやれば立派なアクティビティ。スコップは忘れずに。程よく湿り気がある雪の場合は雪かきをしなくても雪踏みで何とかなりました。

積雪がある冬キャンプではまずテントの設置場所をつくる
テントの設置場所をつくる

また、寝ている間に雪が降り、雪の重みでテントフレームが変形してしまったことがあります。テントが雪に埋まりかけていたことも。天気予報はまめにチェックして、降雪の予報がある時は夜中でも起きて雪おろししなければなりません。

悪天候時の冬キャンプではこまめな雪おろしが必要
悪天候時はこまめに雪おろしが必要

ペグが折れる

雪の上からペグ打ちすると最初はすんなり入っていきますが、凍った地面にぶつかります。細いペグだと変形したり折れてしまうことも。太くて長いペグを必ず余分に用意しておく必要があります。持ち物が多くなりがちな冬キャンプですが、ペグだけでなく、ロープなどのギアは余分に準備していくことをおすすめします。

冬キャンプのフィールドでは太くて長いペグが必須
冬キャンプのフィールドでは太くて長いペグが必須

何でもカチカチに…

日が当たれば日中はそれなりに暖かくても、日が落ちると一気に冷えてきます。場所によっては-10度、-20度というフィールドも。そうした環境では、水も野菜も果物もオリーブオイルや白ワインまで凍ってしまいます。鍋の蓋を雪の上に少しの間置いただけでも凍りついてとれなくなりました。凍ったら困るものは車の中かテントの中で保管が良さそうです。
さらに、寒さが厳しいと燃料のガスやライターなどもつかなくなるときがあります。燃料用のガス缶は寒冷地用を用意したりライターなどはポケットに入れておくなど工夫をしています。

寒い冬キャンプでは何でもカチカチに凍ります
チーズもすぐにカチカチに…。かけるのではなくフォンデュスタイルがおすすめ

寒さ対策を万全に

冬キャンプで最も不安なことといえば“寒さ”。-10度の環境でも薄手のダウンジャケットで平気な顔をしていた研究員に聞いたところ、暖かい素材でできたタイツを着用していました。個人差はありますが、服装は足元・下半身を暖かくすることが寒さ対策の一つのポイントです。また、焚き火は本当に暖かいので、冬キャンプでは必需品。キャンプ場に到着後すぐに用意するのがおすすめです。キャンプの醍醐味でもあり生命線にもなるので、思いきり楽しみましょう。

冬キャンプで沁みる焚き火のあたたかさ
焚き火の温かさが体に沁みます

冬キャンプ初心者や小さな子どもがいる場合、やはりテント泊は不安なもの。そんな方はキャビンやコテージなどの利用がおすすめ。最近は暖房機器も揃っているグランピング施設もありますので、手軽に冬キャンが楽しめます。

冬キャンプ初心者でも安心のキャビンやコテージ
冬キャンプ初心者も安心のキャビンやコテージ

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寝床づくり

火気が使用できない就寝時は特に冷え込み「寒くて寝られない!」という経験も“冬キャンあるある”です。
寒さは下からやってくるので、断熱シートや厚手のラグなどを敷き、コット(簡易ベッド)などの使用がおすすめ。ダウン入りの冬用シュラフ(寝袋)は、中のダウンが膨らむように寝る直前ではなく早めに広げておきます。足先が冷たいと眠れないので、湯たんぽを入れるとポカポカに。
AC電源付きのサイトやポータブル電源などを持っている方は、電気毛布やこたつの使用もありです。

冬キャンプの寝床づくり
断熱シートや簡易ベッドの使用で下からの冷気を防ぐ

食事は温かいものに限る

夕食時にサラダを用意したところ、体が冷える生野菜には誰も手を付けず翌朝の野菜スープになった経験があります。冬のキャンプ飯は温かいものに限ります。温かければ何でも美味しいと学びました。ちなみに、これまでのフィールドワークで作ったキャンプ飯は、アヒージョ、ミートボール、トマトチーズリゾット、豚汁などなど。料理下手の研究員でも美味しく作れました。

冬キャンプの食事は温かいものに限る
温かいものなら何でも美味しい

冬キャンプはさまざまな魅力や楽しさがありますが、注意しなければならないこともたくさん。中には命に関わるものもあるのでしっかりと心得て楽しいキャンプにしましょう。

一酸化炭素中毒

一酸化炭素は狭い空間でストーブを使ったり炭を燃やすと発生し、無味無臭の気体。中毒になると最悪死に至ります。基本的にテント内では火気の使用は禁止。テント内で石油ストーブなどを持ち込むキャンパーも多いですが、そういった場合はこまめな換気を徹底し、警報器を併用します。

天候チェック

朝は晴れていても急に雨や吹雪になるという可能性も十分あります。天候をこまめにチェックし、準備や段取りをします。悪天候が予想される時は晴れている間にできることを優先し、風向きやモノの移動のしやすさを考慮した設営・設置をするとスムーズです。

優先順位を考えて効率よく設営

火の取り扱い

キャンプの醍醐味でもある焚き火ですが、火の粉が飛んで火傷や衣服に穴が開いてしまうことも。寒いからといって近づきすぎないようにします。子どもがいる場合は特に気を付けましょう。また、焚き火の煙は服や髪の毛につくとなかなかにおいが取れません。焚き火の際はお気に入りの服は着ないことをおすすめします。

冬キャンプの醍醐味でもある”焚き火”は安全に楽しく

設営をしっかり

冬キャンのフィールドでは雪が積もっている場合もあります。雪かきや雪をしっかり踏み固めてテントの設置場所を安定させます。設置面が安定しないないとテントが傾いたり倒れてしまう場合もあります。

設置面を安定させてしっかり設営しよう

冬キャンプでは寒いからこそ楽しめる遊びがたくさんあります。研究員がこれまで体験したおすすめの“冬キャンプ遊び”を紹介します。

スノーシュー

スノーシューは雪の上を自由に歩くことができる魔法の靴。西洋かんじきとも呼ばれています。スノーシューを履けば、ふかふかの雪の上を埋もれることなく軽快に歩くことができます。特別な技術は必要ありません。スノーシューツアーなどを実施している場所が各地にあり、必要な装備もレンタル可能なので手ぶらで参加できます。

雪の上を軽快に歩けるスノーシュー

スノーシュー体験はコチラ
 

テントサウナ

テントサウナは持ち運びできる小型のテント。背負えるタイプもあり設置方法はとっても簡単。使う薪もかなり少なめです。しっかり温まり、外の気温がマイナスでもテント内は薄着でも全く問題ありません。テントサウナは夏のキャンプでももちろん楽しめますが、外に出た時の雪景色と鋭く心地よい寒さは冬キャンプならではの体験でした。

持ち運びできる小型のテントサウナ

テントサウナ体験はコチラ
 

イグルー作り

イグルーとは、簡単にいえば雪で作った家。イヌイットの人たちが狩りにでかけた旅先で作る簡易的な住まいです。圧雪した雪のブロックをどんどん積み重ねていき作ります。イグルー作り成功のポイントはチームワーク。声を掛け合って協力しないと上手に作れないのでチームビルディングにもってこい。出来上がったイグルーの中は想像以上に暖かく静か。本を読んだりゆっくりお酒を飲んだり様々な楽しみ方ができます。

雪で作った家「イグルー」

イグルー作り体験はコチラ
 

寒いフィールドだから試せる実験

実験としてこんなことも試してみました。これも寒い場所だからできる体験です。

1)濡れたタオルは振り回すと瞬時に凍るのか?

水に濡らしたタオルを勢いよく振り回すと…

2)凍ったバナナでペグは打てるのか?

凍らせるために一晩外に置いたバナナ

3)スノーエンジェルは誰にでもできるのか?

ふかふかの雪の上にダイブして手足を上下に動かします

最後に長野県内で冬キャンプができる通年営業のキャンプ場をピックアップしてご紹介します。

信州伊那谷キャンパーズヴィレッジ(中川村)

標高900mの山間にある静かなキャンプ場。キャンプサイトはオートキャンプサイトやソロサイトのほか、AC電源付きサイトもあり。ログキャビンやツリーハウス、トレーラーハウスなども完備。

※信州伊那谷キャンパーズヴィレッジの情報はコチラ
 

大町・青木湖キャンプ場&アドベンチャークラブ(大町市)

長野県内で諏訪湖、野尻湖に続く大きさを誇る青木湖の西側にあるキャンプ場。青木湖からは北アルプスの景観を楽しむことができます。キャンプサイトのほか、バンガローもあり。センターハウスではスキーやスノーボードのレンタル品も扱っています。

大町・青木湖キャンプ場&アドベンチャークラブの情報はコチラ
 

おおぐて湖キャンプ場(下條村)

標高730mにある湖畔のキャンプ場。「湖畔サイト」と「林間サイト」があり、AC電源付きも一部あり(湖畔サイト)。お湯が出る水場があります。「テント泊が不安」という人は、併設の旅館「しらさぎ荘」に宿泊しながらテラスでバーベキューなどアウトドアも楽しめる「旅館キャンプ」がおすすめ。

おおぐて湖キャンプ場の情報はコチラ
 

木崎湖POW WOWキャンプ場&アウトドアクラブ(大町市)

木崎湖畔にある限定30組のキャンプ場。テントサイトでは直火もOK。バンガローもあり。木崎湖ではワカサギ釣りも楽しめます。スキー場も近いのでスキーやスノーボードも一緒に楽しみたいという人にもおすすめ。

木崎湖POW WOWキャンプ場&アウトドアクラブの情報はコチラ
 

菅平高原ファミリーオートキャンプ場(上田市)

冬は1日1グループ限定で営業しているキャンプ場。貸し切りキャンプを贅沢に楽しめます。オプションでAC電源もつけることができます。Nagano Fuyu Camp Lab.のフィールドワークの舞台ともなったキャンプ場です(フィールドワークの様子はコチラ)。

菅平高原ファミリーオートキャンプ場の情報はコチラ
 

HYTTER LODGE&CABINS(茅野市)

諏訪湖のほとりにあるキャンプ場。温泉付きの宿泊施設(ロッジ)とテントサイト、キャビンがあり、テントサイトは電源付き。水場はお湯が出ます。クラフトビールなどが楽しめるバーや温泉、Wi-Fi完備のコワーキングスペースなど設備が充実しています。

HYTTER LODGE&CABINSの情報はコチラ

※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、営業状況が変更になっている場合がございます。詳細や予約につきましては、各施設に直接ご確認ください。

夏とは違ったアウトドア体験ができる冬キャンプ。ポイントと注意点を押さえれば快適に楽しく冬キャンを満喫できます。後半には長野県内で冬キャンプができる通年営業のキャンプ場を紹介しました。これまでまとめたことを参考に、冬キャンプデビューしませんか?

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