“薪火の聖地”へ薪火体験に行ってきた。
長野県の冬キャンプシーンを盛り上げるプロジェクト「Nagano Fuyu Camp Lab.」。新たなアクティビティとしての冬キャンプの可能性を探るべく、研究員自ら体を張って実践と研究を行います。第1弾は、薪火体験!
今回は、フィールドワークの第1弾として、「火のおこし方」を研究します。冬キャンプの生命線とも言える「火」の楽しく安全な取り扱い方を学ぶため、薪火(まきび)の聖地駒ヶ根市に行ってきました。
薪火の聖地「駒ヶ根アルプスの里」ファイヤーサイドへGo
「火」の研究ということで、研究部員が思いついた場所は・・・駒ヶ根市内で30年間、火のあるくらしの魅力を伝え続けてきた『ファイヤーサイド株式会社』。ポール・キャスナー社長が、アメリカから1978年に長野県へ移住し、1987年に設立した会社です。(ポールさんのインタビューは近日公開予定!)南アルプスを目の前に見渡すことのできる絶景ポイントに会社があります。
フィールドワークの場所になぜファイヤーサイドを選んだかと言うと、日本における薪ストーブのパイオニア的存在ってのもあるんですが、取り扱っている商品がめちゃくちゃカッコいいんです。
昨年から自宅に薪ストーブの設置するのが難しい人にも、庭やキャンプで薪火を気軽に楽しんでもらいたいというコンセプトで「庭火(にわか)」ブランドを立ち上げ、魅力的な商品を販売しています。
ショップもおしゃれで、ワクワクする商品がいっぱい。アウトドア好きなら、このエリアに来た際にぜひ立ち寄って欲しいショップです。(駒ヶ根インターチェンジから車で3分)
まずは、薪火のつけ方を学ぶ
ショップや、商品、オフィスを見学させてもらった後は、いよいよ薪火のつけ方体験。
まずは、社員の白澤悟さんから薪の種類の説明。例えば、「ひのき」と「なら」の木では、重さも用途も違っていて、火付きが良いひのきは着火時に、火持ちが良いならの木は火力が安定した頃に使うと良いそうです。今までそんなこと意識したことなかったですね。使い分けるのはちょっと難しそうだなと思っていると、白澤さん説明もそこそこにさわやかな声で、「では、薪割りからいきましょう」
「ええええ・・・・いきなり大丈夫ですか??」
「やってみないと始まりませんから。まずはやってみましょう」と見本演技から。
薪割りは、しっかり腰と膝を使って力ずくではなく重力を使って落としていく感覚で割るのが良いそう。
研究員も早速チャレンジ。実際にやると同じポイントでヒットさせるのが難しい!
「薪がある程度細くなって来たら、こんなアイテムで更に細くすることもできます。」と白澤さんが持ち出したのが、ファイヤーサイドとっておきの薪割り商品「キンドリングクラッカー(通称キンクラ)」。固定された刃に薪を当てて上からハンマーで叩くスタイル。鉈(なた)と違って刃を動かさない分安全で、女性や子どもでも楽しく薪割りができます。
調子に乗って気持ちよく割りまくった薪ですが、なんと使うのは1年半後!そのくらい寝かすことで、含水率20%くらいまで乾燥させるとベストコンディションの薪になるとのこと。今日の薪は1年半後にデビュー。そんな話を聞くだけで自然の力や不思議さを感じ、改めて自然の中で生きていることを実感できました。
「薪と触れていると段々含水率もチェッカーで計測しなくても分かってくるんです。」と白澤さん。出来合いの薪を買うだけでは分からない、かなりマニアックな薪のお話を聞いていたらあっという間に1時間経過。次は、いよいよ薪へ火をつけます。
何度火をつけても、「ぱっ・・・ちーん」の繰り返し。助けて、ポールさん~。
ポールさん「これはダメだね。薪はティピに組まなきゃ」
ティピ???
「ほら、こうやって・・・」
「ね?すぐつくでしょ?」
まじか!?あんなに苦労したのに、薪の組み方を変えるだけでこんなにあっさりと。「ティピ」とはアメリカインディアンの住居の一種なのですが、その形状から円錐形をティピと言うそう。「火は育てるのがコツです。火は上へ上へ行こうとするので、その流れに沿って薪を組んでおくといいですよ」
薪火を使った料理にも挑戦!
薪割り&薪火に夢中になって、気づいたらおなかが空いて腹ペコに。次はお待ちかねの薪火を使った料理に挑戦です。そう、ここであの変わった形の理由が明らかになるのです!
じゃーん。
乗せちゃうんですね!ここに食材を乗せちゃうんですね!てか、このアイテムめちゃくちゃイイっすね。いくらで買えるのかな・・・(カタログをパラパラ)・・・182,000円。そりゃそうだよな。めちゃカッコいいもん。こんなん家にあったら、毎日がパーティーだもん。と遠い目をしていると、ポールさんが「そんなYouにおススメなのが、この『KABUTO』さ」と持ってきてくれたのが・・・
かわいい!カブトムシフォルムのこちらは、なんとピザオーブン。少量の薪で本格的なピザを焼くことができます。
こんなに良い商品だと、やはりお値段もお高いんでしょ?ポールさん?
「Non-non.これがたったの29,800円さ!」
はい、買います!研究員のひとりが即買いしました。(実話)
さて気を取り直して、お好み焼きでも焼こう。
今日一日を「ととのう」 テントサウナで至福のひととき
今日の体験の締めくくりは、テントサウナ体験。白澤さんは、なんと!フィンランドで開催された世界サウナ選手権 第6位の実力者。「長野県はサウナに適した場所がたくさんあるんですよ。」と白澤さん。いろいろな場所でサウナをしたいがために、このテントサウナを発売したそうです。
部品は意外とシンプル。設置方法を教えてもらいながら組み立てて、20分ほどで完成。
タンクに水を入れ、ストーブ部分の薪に火をつけます。テントの中で薪を燃やすのは火事や一酸化炭素中毒が懸念されるところですが、この商品は安全面でのテストを何回も繰り返して製品化しており、説明書通りに使えば安全に楽しめるとのこと。 しばらくすると「バチバチ」という薪の燃える心地よい音とともに、熱々の蒸気がテント内に充満し、70度ほどのサウナ状態に。
今回は、服を着たままの体験だったので、5分もたずに終了。サウナから出た瞬間の爽快感は、自然の中に設置したサウナならではの感覚です。
今後のフィールドワークで行う冬キャンプの時にお借りできるように、ポールさんにお願いしようと心に決めて、今回のフィールドワークは終了です。ご協力いただいたポールさん、白澤さん、ありがとうございました!
今回のフィールドワークで学んだポイント
〇薪割りは腰と膝が大切!
〇木の種類によって燃え方の特性があるから、使い分けよう。(ヒノキなどの針葉樹は、着火時に。ナラなどの広葉樹は、着火後に入れると火の持続時間が伸びる。)
〇燃える薪の組み方はずばり「Tipi(ティピ)!」
〇薪火で作る料理は、オシャレでウマくて最高!
〇テントサウナは、冬キャンプの新たな楽しみ方になること間違いなし!
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