2023長野県内プロスポーツチーム試合観戦ガイド
長野県への旅といえば、日本アルプスを始めとする大自然、松本城や善光寺などの歴史・文化遺産、蕎麦や山菜といった新鮮な食材を使ったグルメなど、魅力的な目的地は数多くあります。これらに加えて、じつは長野県は『スポーツ観戦』を目的とする旅も楽しめる場所なのです。ここでは、県内で活動するプロスポーツチームの基本情報をお届けしましょう。
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TOP PHOTO:©信州ブレイブウォリアーズ、©松本山雅FC、©V.LEAGUE
興奮と感動溢れるスポーツ観戦を旅の目的にしてみませんか?
2023年3月現在、県内にはサッカー、フットサル、バスケットボール、3×3、バレーボール、野球の6種目において11のプロスポーツチームがあり、県内各所に各スポーツの選手たちが戦う姿を観戦できるホームスタジアムやホームアリーナがあります。ライブ配信で観戦可能なスポーツもありますが、現地観戦ならではの興奮や感動は、画面越しの観戦では味わえません。
もちろんスポーツ観戦だけでも充分に満足度の高い旅になるはずですが、お目当ての試合の前後に、試合会場周辺のグルメや温泉や景勝地を巡ってみるという旅のプランを立てることもできます。きっとエキサイティングで充実した一日になること間違いなし!
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プロ選手たちの白熱の戦いを観戦できることに加えて、試合会場ではさまざまなエンターテイメントが用意されています。選手入場などの際に、チアリ―ディングチームのパフォーマンス、照明や音楽、映像を効果的に使った演出を駆使しているチームもあり、まるでライブ会場にいるような非日常感を味わえます。
会場でしか手に入らないグルメやグッズも、現地観戦ならではのお楽しみ。試合が始まる前やハーフタイム時に会場内の飲食ブースやショップへ足を運んで、応援を盛り上げるために欠かせないエネルギーと応援アイテムを調達しましょう。
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【北信のプロスポーツチーム】
千曲市出身の背番号10番・山中選手にご注目
<サッカー>AC長野パルセイロ(明治安田生命J3リーグ)
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長野オリンピックのメイン会場、長野オリンピックスタジアム(野球場)に隣接する『長野Uスタジアム』をホームスタジアムとし、長野市をはじめ16市町村がホームタウンとなっている。
1990年に『長野エルザSC』として創設し、2007年に現名称に改名した。2011年『JFL』昇格、2013年JFL優勝を経て2014年に『J3リーグ』へ参加し、2023年で10年目を迎える。『PRIDE OF NAGANO』をチームスローガンに掲げ、就任2年目となるシュタルフ悠紀監督のもと、J3リーグ優勝、そして『J2リーグ』昇格を目指しシーズンに挑む。今年からエースナンバー10番を背負う、長野県千曲市出身のMF山中麗央選手に注目だ。
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INFORMATION
公式サイト:https://parceiro.co.jp/
シーズン:3~11月
ホームスタジアム:長野Uスタジアム
マスコットキャラクター:ライオー
長野県内で唯一の女子プロサッカーチーム
<サッカー>AC長野パルセイロ・レディース(WE LEAGUE)
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2000年創部。2010年よりなでしこリーグに参加し、2021年に創設した日本初の女子プロサッカーリーグ『WE LEAGUE(WEリーグ)』に初年度から参加している県内唯一のプロチーム。男子チーム同様、長野Uスタジアムをホームスタジアムとし、長野市をはじめ16市町村がホームタウンとなっている。
2022年から田代久美子監督が就任。2022-23シーズン、女性監督はWEリーグ11チーム中2名だ。チーム目標6位以内を目指し、その手腕が期待されている。1月から3月までのウィンターブレイク期間に4名の選手が新たに加入。加入選手のひとりであるMF榊原琴乃選手がU-19日本女子代表候補に選ばれるなど、シーズン終盤に向けてさらなる飛躍が期待される。
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INFORMATION
公式サイト:https://parceiro.co.jp/ladies/
シーズン:9~6月
ホームスタジアム:長野Uスタジアム
夏のW杯出場が期待される日本代表選手も所属
<バスケットボール>信州ブレイブウォリアーズ(B.LEAGUE B1中地区)
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男子プロバスケットリーグ『B.LEAGUE(Bリーグ)』に参加している県内唯一のチーム。2010年に千曲市で立ち上がり、2011年に『bjリーグ』へ参入。2016年に誕生したBリーグの初年度には、B2からスタートした。2018年にはホームタウンに長野市が加わり、ヘッドコーチに勝久マイケル氏を迎えてB2優勝を獲得。2020-21シーズン以降はBリーグの1部リーグであるB1において激戦を繰り広げている。
東地区の強豪・千葉ジェッツをホームに迎えた2023年1月22日には、クラブ史上最多となる6014人の観客動員を記録。所属するジョシュ・ホーキンソン選手が日本国籍を取得し日本代表に大抜擢され、チームへの注目もさらに高まっている。
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INFORMATION
公式サイト:https://www.b-warriors.net/
シーズン:10~5月
ホームアリーナ:ホワイトリング、ことぶきアリーナ、松本市総合体育館
マスコットキャラクター:ブレアー
須坂市の観光名所「臥竜公園」がチーム名の由来
<バレーボール>長野ガロンズ(V.LEAGUE DIVISION3 MEN)
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1974年に創部し須坂市を拠点に活動していた『富士通グループ長野』を前身とするプロチーム。2015年、公募投票によりチーム名を〈長野GaRons(ガロンズ)〉に決定。須坂市の観光名所、臥竜公園にちなんでいる。2016-2017シーズンより『VチャレンジリーグⅡ』に参加。
2018-2019シーズンは『V.LEAGUE(Vリーグ)』のディビジョン2、2021-2022シーズンからはディビジョン3に参加し、V3リーグ優勝、V2リーグ昇格に向けて挑戦を続けている。所属選手は、長野県の北信地方に点在する富士通グループ会社のメンバーや、そのほかの地元企業のメンバーで構成されている。
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INFORMATION
公式サイト:https://garons.jp/
シーズン:11~3月
ホームアリーナ:須坂市市民体育館
マスコットキャラクター:ガロコン
新体制で上位リーグへの昇格を目指す
<フットサル>ボアルース長野(F.LEAGUE DIVISION2)
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2011年に、長野市を活動拠点とするフットサルチームとして発足。2018年より日本フットサルリーグ『F.LEAGUE(Fリーグ)』へ参入し、初年度にディビジョン2の優勝を勝ち取った。2019年から2022年までディビジョン1で戦い続けてきたが、2023年2月に開催された入れ替え戦で惜しくも敗戦。2023シーズンには、2022シーズンヘッドコーチだった山蔦一弘氏が監督に就任し、ディビジョン2の舞台で再スタートを切る。
注目選手は、キャプテンで得点力のあるNo.41米村尚也選手と長野市出身のNo.39中村亮太選手。2022シーズンのホーム最終節で1000人以上が千曲市のことぶきアリーナへ訪れるなど、地域サポーターによる熱い応援も見どころのひとつだ。
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INFORMATION
公式サイト:https://boaluz-nagano.com/result/result-cat/top/
シーズン:6~2月
ホームアリーナ:ホワイトリング、ことぶきアリーナ
2023シーズンに掲げる目標は「独立リーグ日本一」
<野球>信濃グランセローズ(ルートインBCリーグ 北地区)
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国内の独立リーグのうち、もっともチーム数の多い『ルートインBCリーグ』に参加している長野県唯一のプロ野球球団。2006年設立。公募をもとに決定した球団名には、県獣であるカモシカ(Serow)の名前が採用されている。
2018年11月に、松本市出身の元プロ野球選手である柳澤裕一氏が監督に就任。2022年にはホームで南地区首位を下して、5年ぶりにルートインBCリーグ優勝を獲得。さらに日本独立リーググランドチャンピオンシップ2022に挑み、準優勝を飾った。来るシーズンに掲げる目標は、独立リーグ日本一。注目選手は、2022シーズンに投手部門でルートインBCリーグMVPを獲得した鈴木駿輔投手だ。
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INFORMATION
公式サイト:https://www.grandserows.co.jp/
シーズン:4~10月
ホームタウン:中野市 ※試合は県内各地の球場にて開催。
マスコットキャラクター:グラッツェ
【東信・中信・南信のプロスポーツチーム】
サポーターの応援を追い風に悲願のリーグ優勝&昇格へ
<サッカー>松本山雅FC(明治安田生命J3リーグ)
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1965年、長野県選抜の選手を中心とするサッカークラブとして創部。2010年『JFL』昇格、2012年『J2リーグ』昇格、そして2015年に国内最高峰の『J1リーグ』昇格と飛躍を遂げる。翌年はJ2リーグに降格したものの、2019年には再びJ1リーグに昇格した。
2022年からは『J3リーグ』を舞台に躍動。2023年の新体制では、霜田正浩氏が監督に就任し、元日本代表の渡邉千真選手を含む11名の選手が加入した。『OneSoul 積小為大』をスローガンに、上位リーグへの返り咲きを目指す。なにより〈松本山雅FC〉の真骨頂は、アウェーをジャックするほどの、熱いサポーターの応援だ。ホーム戦でその熱量を体感したら、虜になることは間違いない。
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INFORMATION
公式サイト:https://www.yamaga-fc.com/
シーズン:3~12月
ホームスタジアム:サンプロ アルウィン
マスコットキャラクター:ガンズくん
日本代表候補に選出された選手を中心に躍動
<バレーボール>VC長野トライデンツ(V.LEAGUE DIVISION1 MEN)
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2008年、上伊那郡南箕輪村にて『VC長野グロース』として設立。2010年に現名称となり、2016-2017シーズンより『VチャレンジリーグⅡ』に参加し優勝を勝ち取る。2018-2019シーズン以降は『V.LEAGUE(Vリーグ)』のディビジョン1(V1男子)において、国内トップレベルのチームと戦い続けている。
チームを率いるのは、川村慎二監督。キャプテンのOH池田幸太選手をはじめ地域の企業や役場に勤める選手が多いが、2022-2023シーズンにおける個人賞を受賞し、日本代表候補にも選出されたMB三輪大将選手やリベロ備一真選手などプロ選手も所属。ホーム戦では、応援団長・北澤ユウジ氏が先導を行ってくれるので、初観戦でも安心して応援に参加できる。
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INFORMATION
公式サイト:https://vcnagano.jp/
シーズン:10~5月
ホームアリーナ:松本市総合体育館
マスコットキャラクター:グロッテ
元日本代表の監督のもと、目指すは『V1女子』昇格
<バレーボール>ルートインホテルズ ブリリアントアリーズ(V.LEAGUE DIVISION2 WOMEN)
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上田市を活動拠点とする、ルートイングループのバレーボール女子実業団チーム。2017年に創部し、2019-20シーズンより国内バレーボールのトップリーグ『V.LEAGUE(Vリーグ)』に参戦し、現在『V2女子』で闘っている。
2021-2022シーズンでリーグ初優勝を飾り、直近の2022-2023シーズンはリーグ2位をマークしV.ファイナルステージへ進出。惜しくもリーグ3位に終わり『V1リーグ』昇格は叶わなかったが、所属する小茂田夏海選手、張瓈文選手が個人賞を受賞するなど、チームの強さを示したシーズンとなった。2022-2023シーズンより元日本代表の原秀治氏が監督に就任し、悲願のV1リーグ昇格を目指す。
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INFORMATION
公式サイト:https://www.route-inn.co.jp/volleyball/
シーズン:10~4月
ホームアリーナ:上田市自然運動公園総合体育館、ことぶきアリーナ千曲
マスコットキャラクター:ルートン
国宝松本城など街中にも3x3のエンターテイメントを
<3x3>信州松本ダイナブラックス(3x3 S.LEAGUE)
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2021年に松本市で誕生した長野県初の3x3プロバスケットボールチーム。『信州ブレイブウォリアーズ』に5シーズン在籍し、『B.LEAGUE(Bリーグ)』のB2優勝、B1昇格、キャプテンを経験した武井弘明氏が選手兼GMを務める。2022年に発足した国内リーグ『3x3 S.LEAGUE(Sリーグ)』に参加し、初年度は12チーム中6位を記録した。
Sリーグの試合は、長野県に限らず全国で開催されているが、公式戦以外にも、松本城で3x3の大会を開催するなど地元長野県を盛り上げるためのエンターテイメントを積極的に仕掛けている。また2023年からはU15男子5人制クラブチームをプロデュースするなど、地域の次世代育成にも力を注ぐ。
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INFORMATION
公式サイト:https://shinshu3x3.jp/
シーズン:5~2月
ホームタウン:松本市
県内でのプロリーグ開催を目指し活動中の新生チーム <3x3>SAKU REGION.EXE(3x3.EXE PREMIER)
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2021年に佐久市で発足した、3x3女子プロバスケットボールチーム。2023年から、世界最大規模 3x3グローバルリーグ『3x3.EXE PREMIER』への参加が決定した。所属選手7名のうち4名が佐久市出身の学生で構成される若いチームで(2023年4月現在)、理事でもあるキャプテンの神矢美月選手がチームを率いている。
地元商店街における3x3イベントの開催、U-15、U-18世代に向けた3x3イベントの開催など、地域や地域の子どもたちに貢献する活動にも注力しているのが特徴だ。2023年度の公式戦は千葉県、愛知県、宮城県、栃木県にて開催予定。来年度以降、長野県でのプロリーグ開催の実現を目指し、さらに活動を広げている。
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INFORMATION
公式サイト:https://www.instagram.com/region3x3/
シーズン:6~9月
ホームタウン:佐久市
取材・撮影・文:松元 麻希
<著者プロフィール>
松元 麻希(Maki Matsumoto)
鹿児島県生まれ。
転勤族のため、物心ついたときから高校生になるまで、全国を転々とする生活を送る。都内の雑誌出版社で9年間修業した後、フリーランスライターとして独立。2017年にスキー好きが高じて長野県松本市へ移住し、現在は南アルプスと中央アルプスの麓・伊那谷で暮らしながら、アウトドアやグルメを中心としたライター業に励んでいる。
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