南信州の春を締めくくる、厳選イチゴスポット3選。
南信州の名残惜しい春との別れ。シーズン終盤にさしかかったイチゴグルメを味わい尽くす。今回はイチゴ狩りに始まり、サンドウィッチ、パフェとイチゴ好きにはたまらないスポット3選を巡る。
記載の情報は原稿執筆時点のものです。営業状況やサービス内容等は変更となる場合がございます。最新の情報は各施設にお問い合わせください。
〈農業法人 今田平〉
アルプスを望む南信州の自然の中で旬のイチゴを満喫。
〈農業法人 今田平〉では2月~5月のGW明けまでイチゴ狩りを楽しむことができる。こちらのイチゴは今では珍しい土耕栽培で育てらているのが大きな特徴。化学肥料を使用せず、海のミネラル豊富な有機肥料で育ったイチゴは一段と味が濃いのだそう。農園の目の前は、天竜峡八重桜街道と呼ばれる約2kmに及ぶ桜並木になっている。取材時にはもう散り始めていたが、4月中旬~下旬の見頃の時期に来れば、花見をしつつイチゴを味わう、とても贅沢なイチゴ狩りを体験できる。
園内に入り受付を済ませると、収穫したイチゴを入れる容器と練乳が入ったトレーを受け取る。そして30分間のイチゴ狩りのスタートとなる。農園では「章姫(あきひめ)」と「紅ほっぺ」の2品種をメインに栽培。どちらも酸味より甘みが際立つ。”制限時間付きで食べ放題”と聞くとついつい焦って食べ進めてしまい、気がつけば満腹……という経験はないだろうか? 糖度が高いイチゴを見分けるポイントをここでおさえておきたい。①ヘタの際まで赤い。②種のつぶつぶが赤い。③先端が平ら。④ヘタが反り返っている。以上4点を念頭に選定すればまず間違いないはずだ(取材時に実証済み)。農園ではハウス内でイチゴを収穫した後、併設されたオープンエアの「今田平テラス」でソーシャルディスタンスを確保した上で飲食することになっている。
そのまま食べてももちろん堪能できるイチゴだが、事前に受け取った練乳にくぐらせて頬張れば満足度倍増。ちなみに練乳はおかわりができないので、ペース配分を考えつつディップすることをお勧めする。イチゴ狩り以外にも、贈答用のイチゴを購入することも可能。またBBQやイチゴジャム作り体験をすることもできる。大人気のスポットのため事前に予約をしたほうが賢明だ。
〈農業法人 今田平〉
長野県飯田市龍江3717-1。TEL 0265-27-5020。営業時間9:00-12:00(5月上旬まで)。
☞https://www.imadaira.com
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〈サンデイサンド〉
旬のイチゴを丸ごと使ったよくばりフルーツサンド
お惣菜系のサンドイッチから、季節の果物をふんだんに使ったフルーツサンドまで。種類豊富でボリューミーな贅沢サンドで人気なのが、南信州で店舗展開する〈サンデイサンド〉だ。自店舗は持たず、地域内の道の駅やスーパーなど数カ所でサンドイッチを出張販売している。オーナーの小林さんが用意するサンドイッチは毎場所売り切れ必至(日によって出店場所が変わる)。人気の秘密はサンドイッチの種類の豊富さと食パンからはみ出そうなほどの具材のボリューム。サンドイッチ一つでもランチとして十分成立する贅沢サンド。小林さんの手づくりの温かみも感じられる。毎回どれにしようか迷ってしまう。
今回の目的は〈サンデイサンド〉大人気シリーズの『フルーツもりもりサンド』。売り切れになってしまうという予想はできたので事前予約を済ませた。小林さんの地元でもある喬木村のイチゴ農家から直接仕入れたという旬のイチゴを使用している。真っ赤に熟れたイチゴのみずみずしさと、軽やかな生クリームの相性は抜群だ。イチゴがまとっているクリームの甘すぎず爽やかな口当たりが、イチゴの存在を消すことなく、絶妙な一体感を生み出している。イチゴを使ったスイーツは数あれど、これほど満足度の高いイチゴグルメはなかなかないのではないだろうか。
前述したように、どのサンドイッチも出店場所で販売開始とともに売り切れになってしまうことが多いので、行くことが決まっていたら事前予約をお勧めする。南信州には見晴らしがよく自然に囲まれた公園がいくつもあるので、これからの季節サンデイサンドのサンドイッチ片手に休日ピクニックの過ごし方はいかがだろうか?
※サンデイサンドの出店スケジュールや出店場所の最新情報はInstagramを要チェック。
〈手づくりのサンドイッチ サンデイサンド〉
たかぎ農村交流センター、とよおかマルシェほか。予約・お問い合わせ等はInstagramメッセージより。サンドイッチ各種400円~
☞https://www.instagram.com/sundaysand_miwa/
南信州のおすすめピクニックスポット
【福島てっぺん公園(豊丘村)】Google Maps
【かざこし子どもの森公園(飯田市)】Google Maps
【丸山公園(高森町)】Google Maps
〈NUKU teteria(ぬくててりあ)〉
まるで芸術作品、キラキラ輝くイチゴのデザート。
道路沿いにすらっと立つ紫色の看板。そこから少し奥に入ると、建物の角に白い扉が……。周囲とは少し違った雰囲気の扉に胸を高鳴らせながら店内に入ると、そこにはまるで別世界に来たかのような空間が広がっていた。
この辺りでは珍しい、中国茶や台湾茶、デザートを楽しめるカフェ〈NUKU teteria〉。壁紙やインテリア、食器やカラトリーの一つ一つにまでこだわりが感じられ、ついつい手に取ってじっくりと眺めたくなってしまう。
今回のお目当ては〈NUKU teteria〉の季節のパルフェ。今の時期はイチゴのパルフェが楽しめる。心躍らせながら、さっそくイチゴのパルフェを注文。
食べ物というには美しすぎるビジュアルに、一瞬で心を奪われる。とても丁寧に、慎重に、繊細に、つくっているであろうつくり手の後ろ姿が自然と目に浮かぶ。デザートというより、芸術作品と呼ぶのがふさわしい気がしてくる。
作品を壊してしまう、そんな罪悪感を感じつつも、迫り来る食欲にはあっさりと負け、スプーンを握った手を伸ばす。まずは1番上に乗っている柑橘類のジェラート。ふわっと口の中に柚子の香りが広がる……。飯田産イチゴのマリネも甘酸っぱくて、ジェラートとの相性も抜群。
下に佇むタイガーナッツミルクのジェラート、黒ごまのクランブル、マスカルポーネクリーム。そして締めのベリーのゼリー。甘酸っぱく爽やかかと思いきや、食べ進むにつれてクリーミーさにも出会える、なんとも幸せなパルフェの旅。それぞれを味わいつつ、この子たちのコンビネーションは一体どんなものかと、ついつい色んな組み合わせで食べたくなってしまう。
食べ終わってしまう寂しさを抱えつつも、気が付けば、あっという間にグラスが空っぽに。
季節のパルフェ以外にも、濃厚プリンやチーズケーキといったデザートや、サンドイッチ、ポタージュスープとパンのセットなどフードメニューも楽しめるので、お茶はもちろんランチにもおすすめ!
※イチゴのパルフェはイチゴの入荷がなくなり次第終了予定。
〈NUKU teteria〉
長野県飯田市東中央通327-1。TEL 0265-49-0311。11:00-16:00。火・水曜定休。
予約・お問い合わせ等はこちらから
〈NUKU teteria〉Instagram☞https://instagram.com/nuku_teteria
予約サイト☞https://www.tablecheck.com/shops/nuku-teteria/reserve
取材・文・写真:木股 玄登、中田好美
<著者プロフィール>
木股 玄登(Kimata Gento)
岐阜県出身。フリーランスとして映像制作と週末スパイスカレー屋をしている。大学中退後、狩猟免許を取得し猟師になる。春夏秋は真面目に仕事をしつつ山に行き、冬は仕事を減らしてでも山に行く生活を送る。現在1匹の愛玩犬、2匹の猟犬と暮らしている。【週末スパイスカレー HIBI CURRY】https://www.instagram.com/hibi.curry/
中田 好美(Nakata Yoshimi)
長野県出身。一度地元を離れるも、やっぱり長野が好きで2019年にUターン。現在はフリーランスのデザイナーとして活動しつつ、週末にはスパイスカレー屋等もしている。昔からのおばあちゃんっ子で、祖母の写真を撮ったり一緒に畑仕事をするのが日課。
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