野辺山高原の立地条件が生み出すさまざまな魅力
野辺山高原は華やかなリゾート地ではないため、レジャー施設などたくさんの人で混み合う観光スポットが存在するわけではありません。しかし、立地の特性を活かした重要な役割を果たしていたり、高原ならではのさまざまなイベントが行われている地域です。
国立天文台の天体観測所、100㎞を走るウルトラマラソンや、シクロクロスの大会が行われるなど、高原野菜や牧場などのグルメだけでなく、天体研究からスポーツまで、心をくすぐる魅力的な出会いが見つかる場所。趣味と仕事が同時進行で楽しめてしまう、大自然に囲まれたワ―ケーションスポットへいざ出発。
爽やかな風を感じながら高原サイクリング
JR小海線野辺山駅は日本一標高の高い場所にある駅で、隣駅の清里駅との間には標高1,375mのJR路線最高地点の石碑が建つ写真スポットがあります。
そんな野辺山駅の隣にある観光案内所ではレンタサイクルの貸し出しを行っています。
サイクリングコースの道中には、乗馬体験や高原野菜の収穫体験が楽しむことができたり、屋内型のバーベキュー施設がある滝沢牧場や、長野県内をはじめ、山梨県や都内の一部でも販売されているポッポ牛乳の製造を行うヤツレンの本社工場と直売所があり、ご当地ソフトクリームなど高原ならではの楽しみが満喫できるスポットを巡ることが出来ます。
野辺山高原は1年の平均気温が約8℃。真夏の最高気温もほとんど30℃には達しないので、さわやかな風を感じながら楽しむサイクリングやトレッキングには最適な環境となっています。
登山愛好家たちの聖地
近年は登山ブームも再燃しており、老若男女問わず多くの方が登山に訪れています。2,000m級の山々が南北30kmに渡って連なり、日本百名山にも選出されている八ヶ岳は、どの季節に訪れても大自然にあふれた姿を楽しめることもあって、登山愛好家が一度は登ってみたいと憧れる人気の山です。
野辺山高原は標高1,300mにありますが、さらに倍の高さがある八ヶ岳を見上げる景色です。地元では「八ヶ岳ブルー」とも表現される、抜けるような青空の下、思わずカメラを向けたくなる信州が誇る美しい山々の景色を思う存分楽しむことが出来ます。
野辺山高原からは、八ヶ岳で一番高い赤岳(標高2,899m)に近い登山道があり、仕事の気分転換に登山をしたいという方には最適な場所となっています。
山は見て楽しむ派の方はカメラ片手にトレッキング
トレッキングプランとしては、八ヶ岳と反対側に位置する飯盛山のトレッキングルートがあり、初心者にお手頃な、往復で半日程度の山歩きが楽しめます。
夏から秋にかけての道中では、ニッコウキスゲやマツムシソウなどの高山植物も数多く見ることができます。
そして飯盛山の山頂(1,635m)から八ヶ岳連峰を見上げながら、その麓に広がる野辺山高原の景色を見渡せば、日頃の喧騒を忘れ、心身ともにリフレッシュできます。
美しい星空の先に宇宙の神秘を感じる天文学の聖地
野辺山高原は、天文学者が選ぶ「日本で一番綺麗な星空BEST3・日本三選星名所」に沖縄県石垣市、岡山県井原市とともにに選ばれた場所。
同時に、戦後間もなく誕生した日本の電波天文学は、野辺山にて、太陽電波の観測、宇宙電波の観測を行い、世界中の研究者に解放し、国内外から多くの研究者が訪れて電波天文学の研究や装置の開発・改良などを行っており、野辺山は電波天文学における国際的な拠点としての役割を担う日本の電波天文学の「聖地」でもあります。
「ミリ波」と呼ばれる電波を観測できる電波望遠鏡では世界最大級の口径を持つアンテナは、直径45mもあり迫力満点。大きな八ヶ岳に負けない存在感は思わずカメラを向けたくなる被写体でもあります。 天文学者に認められた最高の星空を独り占めしながら、星の輝きの先に広がる神秘を感じれば、仕事効率もアップすること間違いなしですね。
ペットOK!ワ―ケーション環境完備の宿
野辺山高原でバケーションが十分に楽しめるのはお伝えできたかと思いますので、ここからはワーク環境のご紹介をさせていただきます。今回は、ワ―ケーションしたいけどペットを飼っているから、なかなか自宅から出て仕事ができないという方にも朗報です。 野辺山駅から徒歩3分にある「野辺山荘」。
平成10年からペットと一緒の宿泊受け入れを実施している家族経営の宿で、お客様のペットの受け入れはもちろんですが、動物スタッフが出迎えてくれるという、動物好きにはたまらないお宿です。
取材の際は接客係のジュリーが迎えてくれました。おおらかで怒られてもめげない不屈の精神の持ち主とのこと。
乳製品と子どものお客様が大好きで、雷と花火が苦手だそうで、取材中、雷が鳴りだした途端、足が震えていたジュリーでしたが、頑張って接客してくれました。他にも接客係や裏方などの猫スタッフも多数いらっしゃるようです。
全室ペットOK、wi-fi完備となっており、お部屋から八ヶ岳を眺めながら落ち着いた雰囲気のなか、澄んだ空気と天然のエアコンが効いた空間で集中して仕事をすることが出来ます。
お部屋以外にも、お洒落な図書室や星空を眺めながら仕事ができるテラススペースなどもあり、贅沢な時間を過ごせます。
お食事はもちろん、自家栽培や地元で採れた高原野菜をはじめ、信州サーモンや岩魚、季節の山菜などの長野県らしい食材を堪能できるお料理の数々が楽しめます。※食事の時間はお部屋でお留守番になります。
今回、宿を案内して頂いた小原大暉さんは、大学を卒業後、都内でWEBディレクターの仕事をしていましたが、2年ほど前に実家である野辺山荘に戻り、現在は宿とディレクターの仕事の両方に取り組んでいることもあり「自分もリモートでの仕事が多くなっているのでお客様のリモートワーク環境のサポートについても万全です」とのこと。
趣味とロマンと仕事と家族
大自然との相性が良いといわれるワ―ケーションですが、野辺山高原はクリエイティブな仕事をする人にこそ知って欲しい場所です。目の前にそびえ立つ雄大な自然を少し離れた距離から客観的に見る視点や、光の点でしかない遥か遠くの情報を集めて分析する視点など、リフレッシュした感覚で新しいものを生み出すきっかけに出会えるのではないかと思います。ぜひ、日常に存在する煩わしいものから離れて、野辺山高原でのワ―ケーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。大切なペットもご一緒に。
撮影:池松勇樹、原 有紀 文:池松勇樹
<著者プロフィール>
池松勇樹
「情報による地域活性化」を掲げて信州上田に密着した地域メディア「うえだNavi編集部」を創設。現在は地域資源を有効活用するための調査や企画を行う地域ブランドプロデューサーとしても活動。ご当地グルメやアニメ・ゲームとのタイアップなどによる観光プロデュースも手掛けている。車が好きで、休日の日課は食べ歩きドライブ。
『野辺山荘』に関する詳細は☞ https://nobeyamaso.com
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