• HOME
  • 伝統と文化
  • 浅間山と千曲川の雄大な景色のなか 北国街道が繋ぐ歴史に思いをはせる

浅間山と千曲川の雄大な景色のなか 北国街道が繋ぐ歴史に思いをはせる

名峰・浅間山のふところに抱かれる小諸エリア。
町のシンボルである小諸城は、はるか戦国の世までその起源を遡ります。
旧宿場町の散策から大自然のアクティビティまで楽しめる場所です。

17678_ext_01_0_L

戦国、江戸から明治まで
小諸を愛した人たちの
足跡を探す旅

小諸エリアでは、戦国期からの名城・小諸城を中心に城下町を形成。江戸時代には北国街道の宿場町として、多くの人びとが行き交いました。JR小諸駅からわずかに足を伸ばせば、当時の賑わいをしのばせる石畳の通りや風格ある建物に出会えます。
なかでも本陣主屋は見どころのひとつです。当時の間取り・寸法そのままに大手門公園内へ移築復元され、参勤交代の大名が泊まった「上段の間」などを見ることができます。脇本陣粂屋は近年、旅籠の様式を残したモダンな宿としてリノベーション。カフェも備えたくつろぎの空間で、かつてのこの地を訪れた人たちに思いをはせながら、旅のプランを練るのも良さそうです。
廃藩置県の後、小諸城は本丸跡に懐古神社を祀り、「懐古園」として多くの文人・著名人に愛されてきました。小諸市動物園や藤村記念館が併設され、子ども連れにもおすすめです。明治の文豪・島崎藤村もゆかりのひとり。園内の藤村記念館や小諸義塾記念館に足を伸ばせば、英語教師として小諸に滞在した、若き日の藤村の面影をしのぶことができるでしょう。彼の筆で、千曲川の「岸近き宿」と描かれた温泉宿・中棚荘では、10~5月の期間、地元のりんごを湯船に浮かべた「初恋りんご風呂」も楽しめます。

懐古園には本丸は残りませんが苔むした石垣が今なお風情を醸しています

本陣主屋

移築復元された本陣主屋では大名が泊まった「上段の間」などを見られます。地元作家の手仕事ギャラリーやカフェもあります 写真提供(一社)こもろ観光局

粂屋

加賀藩家臣も泊まった格式高い建物が、旧脇本陣の宿として新たな魅力を発信。カフェのみの利用もできます 写真提供(一社)こもろ観光局

中棚荘

藤村が小諸時代に足繁く通った中棚荘(中棚鉱泉)。交流の深かった小諸義塾長・木村熊二の書斎「水明楼」も見学可能

味噌、酒、ワイン
じっくり醸される味わいの
来し方行く末を思う

明治期に入り宿場町が役割を終えた後も、通り沿いには数々の問屋や味噌・醤油、酒の醸造所が発展し、小諸は、商都としての存在感を増していきます。現在も大手町から市町、本町、荒町、与良町等、旧北国街道沿いを歩けば、長い伝統と風情を残す店舗を目にすることができるでしょう。
「山吹味噌」のブランドで知られる信州味噌株式会社・酢久商店は、城下町形成当初まで340年以上の歴史を遡る老舗の味噌蔵。厳選した原材料と浅間山麓の豊富な地下水で上質の味噌を醸し、信州の醸造シーンを牽引しています。小諸唯一の酒蔵として、銘酒「浅間嶽」を醸す大塚酒造も江戸期の創業です。若手の女性杜氏が中心となって生み出すすっきりとした味わいは全国にファンを拡大中。ちなみに、藤村が作品の中で唄った「にごり酒」も、この蔵の酒だといわれています。
降水量が少なく、日照が豊かな小諸は醸造用ブドウの栽培に適し、ワインづくりもさかんです。1973年に設立されたマンズワイン小諸ワイナリーでは、プレミアムワイン「ソラリス」を醸造・販売。城下町の空き店舗をリノベーションしたアンワイナリー、御牧ヶ原の風を感じるジオヒルズワイナリーと、新しいワイナリーも近年次々とオープンし、地域のワインシーンをいっそう魅力的に彩っています。

老舗宿・中棚荘が手がけるジオヒルズワイナリー。小諸の風を感じるメルローやシャルドネを醸造。週末のみカフェ・ランチ利用もできます

酢久商店

こだわりの製法で醸す山吹味噌は、直売店の酢久商店で購入可。幻といわれる白眉大豆使用の「黄金」など、格別の味わいに出会えます

大塚酒造

「浅間嶽」を醸す小諸市唯一の酒蔵、大塚酒造は北国街道小諸宿にあります。大塚白実(きよみ)杜氏が、心を込めて旨酒を醸します 

マンズワイン小諸ワイナリー

ブドウの栽培から醸造・出荷まで一貫して行う小諸産ワインの牽引役。工場見学や試飲、併設する日本庭園の散策もできます

雲上に広がる高原は
大自然と遊ぶ絶好のフィールド

四季折々に表情を変える豊かな自然も、小諸の魅力です。標高2568mの浅間山はその代表格。噴煙を上げる独立峰の美しさはもちろん、上信越高原国立公園に指定された山ふところは、一歩踏み入れば、数々の高山植物や野生生物と出会える自然の宝庫です。眼下に望む雲海や遠く富士山まで、山頂からのパノラマは一見の価値あり。黒斑山など2000m超の山々を縦走するコースから緩やかなコースまでルートも多彩です。入山できる範囲は「噴火警戒レベル」によって変わります。平穏に見えても活火山、登山の際は気象庁からの情報などでしっかり確認を。
高峰高原へと至るエリアは、5~10月にはレンゲツツジやニッコウキスゲなどが鮮やかに咲き乱れる花畑。高峰高原を拠点とする「浅間山麓国際自然学校」では、トレッキングや雪上車ツアーなど、さまざまなプログラムを用意しています。山あいの大自然を満喫した後は、天狗温泉や高峰温泉で疲れた体を癒やすのもおすすめです。
御牧ヶ原周辺や千曲川沿いを歩くなら、浅間・八ヶ岳パノラマトレイルのコースをたどるのも良いでしょう。1時間ほどで歩ける初心者向けのコースも複数整備されています。同校が運営する安藤百福記念自然体験活動指導者養成センターにはアーティストたちが手がけたツリーハウスが点在。自然とアートのユニークな融合に感性が刺激されそうです。

日本百名山、花の百名山に選ばれる名峰・浅間山。
トレッキング、紅葉狩り、周辺の温泉巡りなど、
四季を通じて大自然を楽しめます

高峰高原

浅間山の西、標高2000mに広がる高峰高原は、展望豊かな自然のフィールド。夏の高山植物観察や冬のアウトドアと遊び方も多彩です

浅間山麓国際自然学校

スノーシューハイクや星空観察、農林業体験など、自然と親しめるプログラムがたくさん。間伐材を使ったクラフト作りも人気です

小諸ツリーハウスプロジェクト

安藤百福センターが建つ森のなかでは、アーティスティックでカラフルなツリーハウスを鑑賞できます(なかには入れません、宿泊不可)

閲覧に基づくおすすめ記事

MENU