知る人ぞ知る銀世界。冬の醍醐味が全て詰まった〈乗鞍高原〉の冬旅案内

中部山岳国立公園内にある、標高1200m~1800mの山岳リゾート〈乗鞍高原〉。一面が雪に包まれるウィンターシーズンには、スキーヤーやスノーボーダーを始めとする多くの観光客が訪れています。この記事では、そんな乗鞍高原ですごす特別な冬旅をご紹介。Mt.乗鞍スノーリゾートでのスキー・スノーボード、滑らない人でも楽しめるスノーシューハイクなどの体験に加えて、おすすめのグルメ・宿も厳選してピックアップ。1泊以上したくなる、乗鞍高原の冬の旅へご案内します。

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TOP PHOTO:Seth McAllister

乗鞍高原の冬が特別な3つの理由

長野県内には、人気の高いスノーリゾートがいくつも点在しています。そのなかで、なぜ乗鞍高原の冬をおすすめするのか、ここでご説明しましょう。

・国立公園の特別地域内にあり、大自然と暮らしがともにある

乗鞍高原は、その大半が中部山岳国立公園の特別地域に含まれています。そのため雪化粧した大自然がすぐそばに広がり、美しい光景を至るところで目にすることができます。また観光地でありながら地域の人々の暮らしが営まれている場所であることも、乗鞍高原ならではの魅力。ゲレンデ、飲食店、宿など乗鞍高原内のさまざまなスポットで、暮らしながら地域の観光を支えている人々の想いに触れることができるでしょう。

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乗鞍高原は、北アルプスの南端に位置する乗鞍岳(標高3,026m)の東側の裾野に広がっている。(撮影:Seth McAllister)

・混雑することが少なく、静けさがある

年末年始などの繁忙期を除き、インバウンドなどで賑わっている県内他地域のスノーリゾートほど混雑しない穴場スポット、乗鞍高原。ここに滞在すれば静かに雪を堪能でき、温泉の力も借りてしっかり身心を解放することができます。家族と、パートナーや友人と、またはひとりで。どのような旅のスタイルであっても、乗鞍高原では居心地のよさを感じるに違いありません。

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夏は草原、冬は雪原が一面に広がる景勝地「一の瀬草原」。雪原に点在する白樺の木や雪を纏う乗鞍岳が織りなす景色は一見の価値あり。スノーシューやネイチャースキーを履いて出かけよう。(撮影:Seth McAllister)

・「のりくら温泉郷」で3種の温泉を楽しめる

乗鞍高原は、乳白色の単純硫黄泉「乗鞍高原温泉」、無色透明の単純温泉「すずらん温泉」、無色透明の炭酸水素塩泉「安曇乗鞍温泉」という異なる3種類の源泉をもつ温泉地「のりくら温泉郷」としても知られています。同じ乗鞍岳の裾野にある温泉地「白骨温泉」も有名ですが、泉質の異なる温泉を巡ることができるところが、のりくら温泉郷の大きな特徴です。

のりくら温泉郷:https://onsen.norikura.gr.jp/

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『山水館 信濃』の内湯。泉質は、硫黄臭のする乳白色の乗鞍高原温泉。(撮影:Seth McAllister)

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すずらん温泉は透明感があり、炭酸水素イオンを多く含むため肌にやさしい。日帰りの入浴施設はなく、すずらん温泉を引いている温泉宿に宿泊すれば入浴可能。(撮影:Seth McAllister)

地元コンシェルジュが厳選。この冬おすすめの体験&スポット

ここからは、乗鞍高原の冬におすすめの体験・グルメ・宿をご紹介します。セレクトにおいては、乗鞍高原に20年近く暮らしている地元コンシェルジュ、セツ・マカリスターさんにアドバイスいただきました。ぜひ旅の参考にしてくださいね。

のりくら高原観光協会 公式Instagram:https://www.instagram.com/norikurakogen/

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アメリカ・オレゴン州出身で、2005年に乗鞍高原へ移住した。マカリスター考務店代表、一般社団法人松本市アルプス山岳郷の地域づくり推進事業部長、アウトドアブランド「Columbia」のアンバサダーを務める。

「2005年に引っ越してきたときは、乗鞍高原が長野県にあり、高原内にスキーリゾートがあることしか知りませんでした。20年近くかけて、妻、子ども、友人と一緒にこのアルパイン・ワンダーランドを探索し、楽しんで、ここで数えきれない思い出を作ることができました。僕は写真を通して乗鞍高原の深い美しさを共有するのが大好きです。またこの自然の世界を通して私たちが享受できる創造主の恵みを少しでも伝えられたら、そして私たちが生きるこの宇宙の広大さを感じてもらえたらと願っています」

マカリスター考務店:https://mcallisteridealab.com/
一般社団法人松本市アルプス山岳郷:https://alps-sangakukyo.jp/

体験

①ダイナミックな氷瀑を目指すスノーシューハイキング/『Raicho』『NORTHSTAR outdoor adventures』『Little Peaks』

乗鞍高原内には「三本滝」「善五郎の滝」「番所大滝」(※)という3つの滝があり、それらの滝巡りを楽しめるようトレイルが整備されています。冬になると滝は凍結して氷瀑となり、しぶきを巻き上げながら豪快に流れ落ちる夏の滝とはまったく異なる、静かで神秘的な姿を私たちに見せてくれるのです。

滝へのトレイルは整備されているものの、冬はトレイルがすべて雪に覆われてしまうため、とくに土地勘のない人が自力で目指すには高いリスクが伴います。そこでおすすめしたいのが、地元ガイドが主催するツアーへの参加です。現在、乗鞍高原内では『Raicho』、『NORTHSTAR outdoor adventures』『Little Peaks』がスノーシューを利用した氷瀑ツアーを実施しています。 いずれも、スノーシューはじめ必要な道具はすべてレンタル可能。手ぶらでも体験できるので、スノーシュー初心者でも安心です。
※番所大滝のトレイルは冬季閉鎖。

Raicho

Mt.乗鞍スノーリゾートのリフトを使い三本滝と善五郎の滝を巡る「のりくら氷瀑巡り」を実施中。ツアーメニューには、ライトアップされた幻想的な善五郎の滝を見に行くナイトツアー「圧巻の氷瀑を見る夜の冒険」もあり、とくに海外からの観光客を中心に高い人気を誇ります。

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Raichoの「のりくら氷瀑巡り」で最初に目指す、落差50~60mの三本滝。名前のとおり3つの滝が合流しているスポットで、ワイドな景観を楽しめる。(撮影:山本拓郎)

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落差21.5mの善五郎の滝。8mもの幅があり、近づくほどその迫力ある氷の芸術に圧倒される。(撮影:山本拓郎)

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夏は笹だらけで通れない斜面を、スノーシューで駆け降りる!雪のなかで子どものようにはしゃぐ参加者たち。(撮影:山本拓郎)

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Mt.乗鞍スノーリゾートのリフトに乗り、標高約1,800mの三本滝レストランへワープ。(撮影:山本拓郎)

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善五郎の滝からの帰り道には、白樺に囲まれた美しいトレイルが。そのままRaichoの目の前までトレイルが続く。(撮影:山本拓郎)

NORTHSTAR outdoor adventures

スノーシューハイクのメニューには善五郎の滝のみの「半日コース」、善五郎の滝と三本滝を巡る「1日コース」があり、体力に合わせてコース設定できるなど、子連れでも参加しやすいサービスが整っています。一方で、山小屋泊バックカントリーツアーなどベテランも大満足のツアーも充実しています。

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善五郎の滝を一望する展望台。天候に恵まれれば、滝とその奥にそびえる乗鞍岳の2ショットも拝める。(撮影:NORTHSTAR)

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真冬はこのように善五郎の滝一帯が氷と雪に包まれ、氷瀑の内側を絶えず流れる水流の音が鳴り響く。(撮影:NORTHSTAR)

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滝つぼの際まで近づけるのは、渓流の上が雪に覆われる冬だからこそ。ただし崩落の危険性もあるので、氷瀑に近づくには安全のためガイドの同行が必要。(撮影:NORTHSTAR)

Little Peaks

善五郎の滝と三本滝を巡るツアーに加えて、善五郎の滝・牛留池・一の瀬草原を巡る「乗鞍高原スノーシュー ハーフDAY」も展開。ネイチャースキーやバックカントリースキー・スノーボードなど、アクティブ派に人気の高いツアーも揃っています。

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一の瀬草原から見る乗鞍岳。LittlePeaksの「乗鞍高原スノーシュー ハーフDAY」では、一の瀬草原や牛留池、善五郎の滝などをスノーシューで巡る。(撮影:LittlePeaks)

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善五郎の滝と三本滝の2つの氷瀑を巡りたい人には「乗鞍高原スノーシュー 1DAY」への参加がおすすめ。(撮影:LittlePeaks)

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雪の中にダイブしたり、雪のテーブルを作ってお茶をしたり。ガイドがいれば、歩くだけではない雪の様々な遊び方も体験できる。(撮影:LittlePeaks)

【INFORMATION】

Raicho
公式サイト:https://ghraicho.com/tour/396
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/T9Fj8TBxXMhr8cR96
※乗鞍高原観光センターから約600m

NORTHSTAR outdoor adventures
公式サイト:https://ridenorthstar.com/activities/snow/snowshoeing/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/q6amuLJQjfE24BxS6
※乗鞍高原観光センターから約350m

Little Peaks
公式サイト:https://www.littlepeaks.jp/tour/winter/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/rxYMG5F6JYDPLyEG8
※乗鞍高原観光センター内(冬季事務所)

②ゲレンデでパウダースノーを爽快に滑る/『Mt.乗鞍スノーリゾート』

60年以上の歴史をもち、乗鞍高原の観光地としての発展に大きな貢献を果たしてきたのが、『Mt.乗鞍スノーリゾート』です。乗鞍岳の東麓、標高1,500~2,000mに位置し、天然のパウダースノーに恵まれています。2024年に運営会社が撤退を発表し、一度は存続の危機に瀕したものの、地元の有志や全国のファンの支えにより今季も営業継続が決定しました。

Mt.乗鞍スノーリゾートの今季の目玉は、18歳以下のリフト券代が無料ということ。仲間との冬の思い出を作りたい学生グループ、子どもをスキー・スノーボードデビューさせたいファミリーにはこのうえないサービスでしょう。動く歩道やソリがある「キッズパークのりくランド」もオープンしているので、幼い子どもでも飽きずに楽しめるはずです。

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なだらかで広々としたバーンは、キッズの練習に最適。それほど混雑していない点も、子連れスキー・スノーボードに安心なポイント。(撮影:Seth McAllister)

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緩斜面の奥には、中上級者が楽しめる急斜面も。どの斜面も板がよく走る乾いた雪に覆われている。(撮影:Seth McAllister)

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頂上付近には非圧雪エリアもあり、雪が降った日の翌朝には多くのパウダー好きが集う。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

Mt.乗鞍スノーリゾート
公式サイト:https://www.brnorikura.jp/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/dPGpvP5hS1wHsdZR7
※乗鞍高原観光センターから約600m

③雪の森を見ながらフィンランド式バレルサウナを堪能/『Sauna N+』

大人気のフィンランド式サウナを大自然のなかで楽しめるのが、2021年に『B&Bテンガロンハット』の裏に新設された『Sauna N+』のバレルサウナです。木製の樽型サウナルーム内に薪ストーブが設置されていて、サウナストーンに水をかけ蒸気を生み出すロウリュをしながら、じっくり身体を温めることができます。温まった後は湧き水100%の冷水を浴びて、椅子に腰かけ、雪の森を見ながら身心をととえましょう。3時間の貸切制で、サウナの後に併接するカフェ『ヤムヤムツリー』のバウムクーヘンとコーヒーをいただけるというサービスも。

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森がすぐそばにある、フィンランド式バレルサウナ。3時間貸切で11,000円(2名利用の場合)。(撮影:Seth McAllister)

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バレルサウナと森の間を小さな渓流が流れていて、サウナ内から窓越しにその風景を眺めることができる。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

Sauna N+
公式サイト:https://sauna.tengallon.jp/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/BJCn1q1BMfMiRfe49
※乗鞍高原観光センターから約2.1km

グルメ

①ご当地グルメ「番所そば」と「とうじそば」を味わう/『そば処 合掌』『そば処 中之屋』

標高が高く冷涼な気候の乗鞍高原では、そうした環境下でおいしく育つ蕎麦の栽培が昔から盛んに行われてきました。そんな乗鞍高原には「番所(ばんどころ)そば」という在来種の蕎麦があり、『そば処 合掌』『そば処 中之屋』などでいただくことができます。また隣接する奈川地区が発祥とされる「とうじそば」は、乗鞍高原でも親しまれている郷土料理のひとつ。根曲がり竹で編んだ籠に茹でたそばを入れ、具だくさんの鍋に軽く浸していただくというもので、冷え込む冬にピッタリな一品です。

そば処 合掌

番所蕎麦の栽培も行っている、手打ちそば店。江戸時代に建てられた合掌造りの建物という趣ある空間で、在来種の番所蕎麦や信州産の蕎麦を使った打ち立てのそばをいただける。

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季節ごとの野菜や山菜、きのこ、鴨肉などさまざまな具が入った鍋でいただく「とうじそば」(1人前1,800円)。有料で卵やごはんを追加可能。(撮影:Seth McAllister)

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自家製の番所蕎麦を使用した「田舎十割蕎麦」(並盛990円)。(撮影:Seth McAllister)

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1790年(寛政12年)に新潟県糸魚川市で建築された合掌造りの建物で、1980年(昭和55年)にこの地へ移築された。漆塗りの柱や建具、太い梁が歴史の重みを感じさせる。(撮影:Seth McAllister)

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11時30分に営業を開始して、蕎麦がなくなり次第終了となるので入店はお早めに。(撮影:Seth McAllister)

そば処 中之屋

1959年創業。全品水車挽きで、つなぎを一切使用しない十割そばを提供し続けていることがこだわり。製粉だけなく蕎麦の栽培も行っている。惣菜が豊富なセットメニューが人気。

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手打ちの十割そばに加えて、味噌で味付けした岩魚の笹焼き、煮物、漬け物、ごはん、味噌汁などがセットになった「そば定食」(2,400円)は、まさに乗鞍高原の恵みを味覚で感じられる一品。(撮影:Seth McAllister)

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辛味大根とともに十割そばの風味を満喫できる「おろしそばセット」(1,800円)。そば単体の皿とは別に、そばの上にトロロ・ネギ・ノリが載った小碗も付く。(撮影:Seth McAllister)

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乗鞍高原の温泉で洗って漬けた野沢菜漬け、着色料なしで鮮やかな色合いに仕上げた赤かぶ漬けなど、古樽を使って作られた自家製の漬け物コーナー。なんとおかわり自由。(撮影:Seth McAllister)

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大きな本棟造りと、その横に建つ水車が目印。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

そば処 合掌
公式サイト:https://norikura.gr.jp/content/sobaya-gasho/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/RMhmWFE3nfoc8NVc9
※乗鞍高原観光センターから約2.3km

そば処 中之屋 
公式サイト:https://soba-nakanoya.jp/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/iLjMToxSKGSiFuwB6
※乗鞍高原観光センターから約2.9km

②高原で焼き上げた“天空のバウムクーヘン”をお土産に/『ヤムヤムツリー』

B&Bテンガロンハットに併設するバウムクーヘン工房&カフェ『ヤムヤムツリー』では、ふんわり・しっとり焼き上げられた手作りのバウムクーヘンが販売されています。こだわりは、できるだけ添加物を使わず、信州産の食材を使うこと。バウムクーヘンの味の決め手となる卵には松本市産の「あいだのたまご」を、小麦粉には信州産の「めぐみ」を使用。乗鞍高原に自生している白樺をモチーフにした「シラカバ」「ソフト白樺」というバウムクーヘンなどもあり、お土産に最適です。カフェもあるので、滞在の合間に立ち寄って、コーヒーと一緒に“天空のバウムクーヘン”のふわふわ感を味わってみてください。

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一番人気は、粉糖やチョコを使って乗鞍高原に自生する白樺そっくりに仕上げられたふわふわバウムクーヘン「ソフト白樺」(2,400円)。(撮影:Seth McAllister)

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販売スペースにはソフト白樺のほか「ノリクラ」「シラカバ」「まっちゃ」など様々なバウムクーヘンが並ぶ。2種類を詰め合わせたギフトセットも購入可能。(撮影:Seth McAllister)

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バウムクーヘン工房の横には広々したカフェスペースがあり、購入した商品とドリンクをいただける。(撮影:Seth McAllister)

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B&Bテンガロンハットの一角を改装し、2015年にバウムクーヘン工房&カフェとしてオープン。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

ヤムヤムツリー
公式サイト:https://yumyumtree.jp/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/MKiS3xgLMudHobKC7
※乗鞍高原観光センターから約2.1km

宿

①ワークスペース・ドミトリー・雪見露天風呂あり。自由な旅に最適/『温泉の宿 Raicho』

源泉掛け流しの温泉がある温泉宿。家族やカップル同士で落ち着いて過ごせる個室だけでなく、山小屋のような2段ベッドのドミトリーもあるため、ひとりで乗鞍高原に訪れる人にとっても居心地よし。ゲストキッチンがあるので素泊まりでも不便はありませんが、追加料金を支払えば朝食や夕食を注文することもできます。

サスティナブルな取り組みを導入している点も、Raichoならではの特徴です。自然エネルギーを供給するハチドリ電力や太陽光パネル「ハチドリソーラー」で発電した電力を館内に使用するなど、サスティナブルを感じるサービスが館内の随所にあり、滞在を通して気づきや学びを得ることができます。スノーシューを始めさまざまな体験ツアーが用意されているので、この宿を拠点に乗鞍高原の大自然を満喫しましょう。

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乗鞍高原温泉を引き込んだ野天風呂。ぐるりと森に囲まれたロケーションが魅力。30分貸切制で、気兼ねなく雪見風呂を堪能できる。お風呂はほか内湯が2つある。(撮影:山本拓郎)

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薪ストーブが灯るロビーは、宿泊客の憩いの場。本棚には旅にまつわる本などが充実。(撮影:山本拓郎)

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共用のゲストキッチンには食器や調味料が揃い、追加料金を支払えば缶詰やレトルト商品など軽食の購入も可能。(撮影:山本拓郎)

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定員2名のクイーンルーム。部屋の一角にはデスクとモニターが設置されたワークスペースがある。(撮影:山本拓郎)

【INFORMATION】

温泉の宿 Raicho
公式サイト:https://ghraicho.com/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/o4arUa7XsiEZbbnV9
※乗鞍高原観光センターから約600m

②古の風情を感じる宿でしみじみと味わう乗鞍の冬/『温泉旅館 けやき山荘』

『温泉旅館 けやき山荘』は、江戸時代後期の安政(1854~1860年)に建築された民家を新潟県糸魚川市から移築し、1977年(昭和52年)に宿として創業しました。特徴的なのは、ケヤキの構造材に囲まれた吹き抜けの食堂があること。漆塗りの柱や梁を見るだけで、200年という月日の重みを感じることができます。本館と別館合わせて15部屋の客室がありますが、とくに移築の部分である本館の客室は風情があり、一晩過ごせばタイムスリップしたような気分になれるはず。

けやき山荘のもうひとつの魅力は、宿泊客のみ入浴可能なお風呂です。露天風呂と内湯があり、いずれも乗鞍高原温泉を引湯していますが、宿が源泉の場所に近いため、入浴すればより濃厚な単純硫黄泉を満喫できます。

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重厚感と開放感のある吹き抜けの食堂。夕食はここで信州ポークのしゃぶしゃぶや牛肉の陶板焼きをメインとする手作りの和食を提供。(撮影:Seth McAllister)

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本館2階の客室。食堂と同様に太いケヤキの構造材に囲まれていて、その存在感に圧倒される。(撮影:Seth McAllister)

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露天風呂も内湯も、浴槽には木曽檜を使用。床も壁も木材が使われ、浴室全体が木の温もりに溢れている。(撮影:Seth McAllister)

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山岳写真家・田淵行男氏が書いた文字が掘り込まれた玄関の看板も味わい深い。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

温泉旅館 けやき山荘
公式サイト:https://www.keyakisansou.com/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/K639iGLunChSR2qr5
※乗鞍高原観光センターから約400m

③乗鞍高原観光センターに隣接するメルヘンな温泉宿/『プチホテル アルム』

乗鞍高原観光センターのすぐそばに建ち、宿・レストラン・喫茶店として利用できる温泉宿です。1977年(昭和52年)にオープンした当初は喫茶店でしたが、翌年にレストラン営業も始まり、1990年に宿泊棟、2003年にすずらん温泉の貸切露天風呂が完成。乗鞍高原の観光地としての発展とともに、業態を変えながら営業を続けてきました。

薪ストーブが設置された館内は、アーチ型の壁や柱のレンガなどメルヘンな雰囲気が漂い、旅の気分を盛り上げてくれます。地域で栽培された高原野菜や季節の山菜をふんだんに取り入れた手料理、やわらかな泉質の温泉があることもポイント。温もりと懐かしさに溢れるこの宿には、何度も訪れているファンが数多くいます。

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1階奥はレストラン&カフェのスペース。レストランのランチメニューには、ピザ、カツカレー、手打ちそばとバリエーション豊富な料理が揃う。(撮影:Seth McAllister)

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吹き抜けになっていて明るい館内。2階の吹き抜け廊下には本棚やソファがあり、宿泊客はここで寛ぐことも可能。(撮影:Seth McAllister)

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お風呂の泉質は、無色透明で炭酸水素イオンを多く含むすずらん温泉。浴室は木に囲まれていて、心地よく入浴を楽しめる。(撮影:Seth McAllister)

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アルムは「高原の牧草地」を意味するドイツ語で、山好きでドイツのメルヘン街道に憧れた店主が名付けた名前だそう。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

プチホテル アルム
公式サイト:https://alumu.com/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/MtjKk1E27zDrLU3ZA
※乗鞍高原観光センターから約160m

④ゲレンデ直結!囲炉裏で郷土料理をいただく/『乗鞍岳山懐の湯宿 山水館信濃』

Mt.乗鞍スノーリゾートのゲレンデに面して建つ、白樺の木々に囲まれた風情溢れる温泉宿。ゲレンデから0分という好立地にあること、囲炉裏を囲んでいただく夕食や源泉掛け流しの温泉があることが魅力です。客室は基本的に和室で、室内に飾られた絵画や花々に癒されながら、清潔な畳の上で寛ぎの時間を過ごすことができます。

おすすめの過ごし方は、連泊をして、ゲレンデで滑ったり、温泉に入ったりと、時間をたっぷり使って気の向くままゆっくりすること。夜になったら外に出て、ゲレンデとその上に瞬く星空を眺めるのも至福の時間です。また連泊であれば、宿を拠点に、松本市街や高山市街まで足を延ばすという楽しみ方もできるでしょう。

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夕食は、濃厚な鶏だしが好評の鴨鍋をメインに、川魚の塩焼きや地元の食材を取り入れた山村ならではの山のご馳走を囲炉裏を囲んで楽しめる。(撮影:Seth McAllister)

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客室は和室が18室、洋室が1室。家族やグループ向けに2間続きのタイプも用意されている。(撮影:Seth McAllister)

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お風呂は露天風呂と内湯、貸切の家族風呂が2つあり、いずれも乗鞍高原温泉を源泉掛け流しで使用。露天風呂では山を眺めながら入浴できる。(撮影:Seth McAllister)

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創業は1974年(昭和54年)。東館と西館があり、西館は1994年(平成6年)に増築された。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

乗鞍岳山懐の湯宿 山水館信濃
公式サイト:https://sansuikan-sinano.com/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/nj7JYkLpRJ19L1cu8
※乗鞍高原観光センターから約1.2km

⑤グループでの長期滞在に便利なコンドミニアムタイプ/『NORTHSTAR loft』

キッチン、バス、トイレ、各種調理器具、Wi-Fiを完備したコンドミニアムがあり、家族や仲間と暮らすように旅をしたい人におすすめの宿です。コンドミニアムは定員4名と定員6名の2部屋で、2022年にリニューアルしたばかり。どちらの部屋も清潔で快適な空間に仕上がっていて、室内から周囲に広がる豊かな自然を眺めることができます。

NORTHSTARは宿営業とともにアウトドアスクールも運営していて、乗鞍高原のスノーアクティビティの拠点として利用するには最適な場所。レンタル品が館内に揃っているので、長期で滞在して、この宿をベースに乗鞍高原の冬だからこそ体験できるスノーアクティビティを楽しみ尽くすこともできます。

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定員4名の客室「Mountain View」のリビングダイニング。(撮影:Seth McAllister)

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コンロや冷蔵庫、電子レンジなど、キッチンには調理に必要なものが一通り揃う。(撮影:Seth McAllister)

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定員6名の客室「River Side」のリビングダイニング。(撮影:Seth McAllister)

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乗鞍高原観光センターから徒歩3分でたどり着ける、森に囲まれた大きなロッジ。さまざまなアクティビティの拠点となっている。(撮影:Seth McAllister)

【INFORMATION】

NORTHSTAR loft
公式サイト:https://ridenorthstar.com/
Google Maps:https://maps.app.goo.gl/TEyXc6xXBP5nSea9A
※乗鞍高原観光センターから約350m

乗鞍高原には、静かに雪に囲まれた時間を味わいたい人もアクティブに雪と戯れたい人も受け容れる懐の広さがあります。一度足を踏み入れればきっと、あなたもこの山の上の小さなリゾートのファンになってしまうはずです。



撮影:Seth McAllister、山本拓郎 文:松元麻希 監修:マカリスター考務店

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