【長野の渓谷14選】4~11月がおすすめシーズン。川や滝、岸壁など雄大な自然美を間近で体感しよう
山々に囲まれた長野県には多くの渓谷が点在し、ハイキング・トレッキングのほか、橋や展望台から眺めたり、さらには舟での川下りなど、さまざまな方法で楽しむことができます。今回は、観光におすすめの県内の渓谷14スポットをピックアップ。見どころや楽しみ方をまとめました。
記事の最後で、世界第一級の断層『中央構造線』について学べる博物館も紹介。最後までお見逃しなく。
TOP PHOTO:長野県辰野町の横川渓谷(よこかわけいこく) ©GoNAGANO観光データベース
01 松川渓谷(まつかわけいこく)<長野県高山村>
千曲川の支流松川が流れる「松川渓谷」は、日本でも有数のV字渓谷。特に紅葉シーズンは多くの人で賑わいます。松川渓谷の玄関口にかかり、高山村のシンボルでもある赤い橋「高井橋」は、季節ごとに変化する景色を楽しめる絶景ポイントとして人気です。そのほか、落差約180mの「八滝」や、別名“裏見の滝”とも呼ばれる「雷滝」などの名所も点在。渓谷沿いには8つの温泉が湧き、「信州高山温泉郷」を形成しています。温泉宿が立ち並び、日帰り入浴も可能です。
【INFORMATION】
【エリア】北信濃エリア-高山村
【スポット名】松川渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】上信越自動車道「須坂長野東IC」「小布施スマートIC」より車で約30分
【住所】長野県上高井郡高山村(Google Maps)
02 奥裾花渓谷(おくすそばなけいこく)<長野県長野市>
裾花川源流にある「奥裾花渓谷」は、新聞社が選定した日本を代表する景観100カ所「日本百景」の一つに数えられる渓谷です。「奥裾花大橋」から「奥裾花自然園」まで約10kmに渡る渓谷沿いには、さまざまな地層と絶壁が続いています。地層から、鬼無里は昔、日本海につながる海の底にあったことが分かっており、“野外博物館”として、さまざまな地質現象を観察することができます。
【INFORMATION】
【エリア】北信濃エリア-長野市
【スポット名】奥裾花渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】上信越自動車道「長野IC」より車で約60分
【住所】長野県長野市鬼無里日影(Google Maps)
【備考】11月上旬~4月下旬まで奥裾花渓谷道路は冬季通行止め(奥裾花自然園も冬季休園)
03 巣栗渓谷(すぐりけいこく)<長野県上田市>
美ヶ原高原東側の入り口、標高1,000mの場所にある「巣栗渓谷」は、美ヶ原高原山麓と武石川の清流がおりなす雄大な自然に囲まれた景勝地です。遊歩道沿いに渓谷の風景が楽しめる「渓谷広場」は、平場が多く、東屋などの休憩場所も整備されているため小さな子ども連れでも安心です。そのほか、滝つぼのすぐ近くから流れ落ちる滝を見上げることができる「お仙ヶ峡」、条件が合えば見事な水鏡が現れる「竜ヶ沢ダム」などが見どころ。食事処や休憩所、売店が揃う「武石観光センター」を中心に、釣り堀やキャンプ場もあるので、家族みんなで楽しめるスポットです。
【INFORMATION】
【エリア】東信州エリア-上田市
【スポット名】巣栗渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】上信越自動車道「東部湯の丸IC」より車で約40分、「上田菅平IC」より車で約50分
【住所】長野県上田市武石上本入(Google Maps)
【備考】「武石観光センター」は冬季休館(11月下旬~4月中旬)
04 烏川渓谷(からすがわけいこく)<長野県安曇野市>
常念岳、蝶ヶ岳を源流とする烏川の渓谷。烏川の渓流沿いには、「水辺エリア」と「森林エリア」からなる「烏川渓谷緑地」という公園が整備されています。「水辺エリア」には、北アルプス・蝶ヶ岳を望むつり橋や、アカマツ林内散策路、芝生公園、水遊びスポットなどが点在。「森林エリア」は、木道や散策路がしっかり整備され、ハイキングやトレッキングを楽しむのもおすすめです。
【INFORMATION】
【エリア】日本アルプスエリア-安曇野市
【スポット名】烏川渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】長野自動車道「安曇野IC」より車で約20分~25分 ※複数カ所に駐車場あり
【住所】長野県安曇野市堀金烏川(Google Maps)※烏川渓谷緑地 環境管理事務所
05 山清路(さんせいじ)<長野県生坂村>
「長野自然100選」にも選ばれた景勝地。麻績累層と呼ばれる地層が犀川に浸食されて形成された地形で、川の両岸は60mの断崖となっています。周辺は「山清路公園」として整備され、遊歩道を歩きながらハイキングを楽しめます。百番観音・交通安全祈願のお地蔵さまや修復された山清路橋などの見どころを、景色を眺めながら巡ってみましょう。
【INFORMATION】
【エリア】日本アルプスエリア-生坂村
【スポット名】山清路(☞公式サイト)
【アクセス】長野自動車道「麻績IC」より車で約20分、「安曇野IC」より車で約40分
【住所】長野県東筑摩郡生坂村(Google Maps)
06 高瀬渓谷(たかせけいこく)<長野県大町市>
高瀬川に沿って連なる「大町ダム」「七倉ダム」「高瀬ダム」の3つのダムと、葛温泉を含む周辺一帯を指す「高瀬渓谷」。「大町ダム」がある「竜神湖」湖畔には散策路や芝生が広がる「高瀬渓谷緑地公園」や龍神湖と市街地が一望できる「龍神湖展望広場」などがあります。葛温泉エリアでは3軒の温泉宿が営業。日帰り入浴も可能で、トレッキング後の利用もおすすめ。「高瀬ダム」の堰堤には、槍ヶ岳の山頂が望める展望台「槍見台」があります。
【INFORMATION】
【エリア】日本アルプスエリア-大町市
【スポット名】高瀬渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】長野自動車道「安曇野IC」より車で約40~50分 、上信越自動車道「長野IC」より車で約70~80分 ※七倉ダムより先はマイカー乗り入れ不可
【住所】長野県大町市平高瀬入(Google Maps)
07 横谷渓谷(よこやけいこく)<長野県茅野市>
長野県内屈指の紅葉スポットとして知られる「横谷渓谷」は、渋川上流に広がる渓谷。渓流沿いには「横谷峡遊歩道」が全長6kmに渡って整備され、渓流のせせらぎを耳にしながらハイキング・トレッキングが楽しめます。バス停「横谷渓入口」から徒歩5分ほどの位置にある「乙女滝」のほか、「王滝」や「霧降の滝」などいくつもの滝を巡ることができます。岩裾を水が流れる「屏風岩」や「横谷観音展望台」など見どころが多い渓谷です。
【INFORMATION】
【エリア】諏訪エリア-茅野市
【スポット名】横谷渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】中央自動車道「諏訪IC」より車で約30分
【住所】長野県茅野市北山(Google Maps)
08 寝覚の床(ねざめのとこ)<長野県上松町>
上松町周辺の花こう岩地帯の地形が木曽川の流れに削り取られて生まれた「寝覚の床」。2020年に「中央アルプス国定公園」に指定、古くから浦島伝説が残されていることでも有名です。町営駐車場から、森林内をのんびり歩くコースを含め、3つの遊歩道があり、滞在時間や楽しみ方に合わせた散策が可能です。
【INFORMATION】
【エリア】木曽路エリア-上松町
【スポット名】寝覚の床(☞公式サイト)
【アクセス】中央自動車道「伊那IC」より車で約60分、長野自動車道「塩尻IC」より車で約70分
【住所】長野県木曽郡上松町上松1704(Google Maps)
09 赤沢渓谷(あかざわけいこく)<長野県-上松町>
渓谷沿いには木曽ヒノキを中心とした森林が広がり、上流に国有林として指定されている「赤沢自然休養林」があります。「赤沢自然休養林」を起点に、渓流に沿って遊歩道を散策する「渓流コース」や全線が舗装と木橋で整備された「ふれあいの道」など、複数の散策コースが整備されています。また園内を周遊する「森林鉄道」に乗車し、気軽に森林浴も楽しめます。
【INFORMATION】
【エリア】木曽路エリア-上松町
【スポット名】赤沢渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】中央自動車道「伊那IC」より車で約80分
【住所】長野県木曽郡上松町小川(Google Maps)
【備考】赤沢自然休養林の開園期間は4月末~11月上旬。
10 柿其渓谷(かきぞれけいこく)<長野県南木曽町>
「柿其渓谷」は、柿其川沿いの約8kmに渡って巨大な花こう岩が、滝や淵を形作る景勝地です。JR「十二兼駅」から自然歩道を通って、「牛ヶ滝」まで約4.5km、約1時間10分のトレッキング。さらに林道を徒歩40分ほど進むと展望台もあります。「恋路のつり橋」から「牛ヶ滝」まで、断崖絶壁に設置された約300mの遊歩道からはエメラルドグリーンの水面と峡谷が織りなす風景を満喫できます。
【INFORMATION】
【エリア】木曽路エリア-南木曽町
【スポット名】柿其渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】長野自動車道「塩尻IC」より車で約90分
【住所】長野県木曽郡南木曽町読書(Google Maps)
11 阿寺渓谷(あてらけいこく)<長野県大桑村>
砂小屋山に源を発する阿寺川が流れる渓谷で、全長約15kmの川の両岸には木曽五木(ヒノキ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ・サワラ)が見られます。“阿寺ブルー”と称されるエメラルドグリーンの清流が特徴で、川の深みがまるで浅瀬に感じられるほど透明度は抜群。林道や遊歩道が整備され、千畳岩やつり橋、淵といった見どころを歩いて巡ることが可能です。
【INFORMATION】
【エリア】木曽路エリア-大桑村
【スポット名】阿寺渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】長野自動車道「塩尻IC」より車で約90分
【住所】長野県木曽郡大桑村野尻(Google Maps)
12 天龍峡(てんりゅうきょう)<長野県飯田市>
南北約2kmにわたり、天竜川の浸食によって造りだされた峡谷。川下り舟に乗って鑑賞するのもおすすめ。断崖を川面から見上げれば、より一層峡谷の深さが実感でき、岸壁や水流、崖にしかみられない植物を間近で観察することも可能です。また、「天龍峡」を一周できる遊歩道では、「つつじ橋」から望む奇岩巨岩の渓谷美、点在する句碑や歌碑、展望台からの眺望など、川下りとは違った魅力と出合うことができます。
【INFORMATION】
【エリア】伊那路エリア-飯田市
【スポット名】天龍峡(☞公式サイト)
【アクセス】三遠南信自動車道「天龍峡IC」より車で約2分
【住所】長野県飯田市川路(Google Maps)
13 虻川渓谷・大明神淵(あぶかわけいこく・だいみょうじんふち)<長野県豊丘村>
虻川の流れによって削り取られた「虻川渓谷」の中でも、特に険しい渓谷が「大明神淵」です。「野田平キャンプ場」より下流にある大明神淵には、流水の力で石が回転し、長い年月の間に河床の岩盤を掘り込むことにより形成された日本最大級といわれるポットホールがあります。ポットホール下流側から遊歩道が整備され、展望台からその景観を眺めることができます。
【INFORMATION】
【エリア】伊那路エリア-豊丘村
【スポット名】虻川渓谷・大明神淵(☞公式サイト)
【アクセス】中央自動車道「松川IC」より車で約40分、「飯田IC」より 車で約45分
【住所】長野県下伊那郡豊丘村神稲(Google Maps)※虻川渓谷
【備考】茸山シーズン(9月1日~11月10日まで)は入山禁止、冬期間は林道が積雪・凍結のため原則として通行禁止。
14 横川渓谷(よこかわけいこく)<長野県辰野町>
「横川渓谷」は、中央アルプス最北端にある経ヶ岳を源とする渓谷です。閃緑岩(せんりょくがん)の裂け目に石英が規則的に貫入してできた岩は、川底に横たわっている大蛇のように見えることから「蛇石」と呼ばれています。蛇石のすぐ近くには「蛇石キャンプ場」(営業:4月~11月)があったり、蛇石や「横川ダム」を巡りながらトレッキングができたりと、さまざまな楽しみ方ができるスポットです。
【INFORMATION】
【エリア】伊那路エリア-辰野町
【スポット名】横川渓谷(☞公式サイト)
【アクセス】中央自動車道「伊北IC」より車で約40分
【住所】長野県辰野町横川(Google Maps)
【番外編】 北川露頭(きたがわろとう)<長野県大鹿村>
鹿塩川沿いにある露頭「北川露頭」。渓谷とは異なりますが、関東から九州に伸びる長大な断層「中央構造線」の断面を観察できるスポットです。現地周辺は国の天然記念物に指定され、鹿塩川の川岸まで降りると、高さ約5mの露頭を間近に見ることができます。北川露頭から車で約25分の場所には、「大鹿村中央構造線博物館」があり、中央構造線についてより深く学ぶことができます。
【INFORMATION】
【エリア】伊那路エリア-大鹿村
【スポット名】北川露頭(☞公式サイト)
【アクセス】中央自動車道「伊那IC、「松川IC」よりそれぞれ車で約65分
【住所】長野県下伊那郡大鹿村鹿塩(Google Maps)
【備考】大鹿村中央構造線博物館 入館料:大人 500円、中高生 200円、小学生 無料
※露頭周辺の国道152号線は、一部冬季通行止めとなります。また、土砂崩れ等により通行止めになることがありますので、事前に道路状況を確認してください。
制作:フィールドデザイン
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