初めてでも楽しめる 野鳥と出会う旅
バードウォッチングの経験がなくても家族みんなで楽しめる、野鳥と出会う旅はいかがでしょう。大自然を身体全体で感じる、長野県ならではの旅のスタイルです。
野鳥の宝庫・長野県で、キツツキを見よう
野鳥に出会える場所は、長野県のいたるところにあります。長野県は野鳥の宝庫といわれ、野鳥の種類の多彩さもさることながら、必ずしも山深く入り込まなくても、遊歩道を散策しながら野鳥に出会えるスポットが多いことでも知られています。
バードウォッチングというと春や夏を思い浮かべますが、晩秋から冬そして初春にかけては木々の葉が落ち野鳥を見つけやすいという大きな利点があります。そもそも夏と冬では出会える野鳥の種類が違います。春に日本に渡って来る夏鳥もいれば、冬に渡ってくる鳥もいるからです。野鳥観察はどんな季節でも楽しめますが、最もおすすめできるのは夏鳥が渡ってきて青葉がしげる前の早春です。
服装は森のなかの遊歩道を歩くイメージで、その季節に合ったものを準備しましょう。足元は運動靴で、帽子も用意したほうがいいですね。双眼鏡を持っている場合は持参するとより楽しめます。
森に入ったら野鳥を目で見つけようと焦らず、まず耳を澄ましてみましょう。静かにゆっくり歩き、時々立ち止まりながら耳をたてて、鳥たちの声がどの辺から聞こえてくるかを感じましょう。声の聞こえてくる方向に目を向けていると、動くものが見つかります。肉眼で動きを観察してもいいし、双眼鏡を持っていたら、ゆっくりと目に当て覗いてみましょう。
さえずりのほかに「タラララ…」という小刻みに木を叩く音がするときがあります。音の主はキツツキ。木に縦にとまり、枯れて空洞の木を高速でつつき、離れた相手とコミュニケーションをとるための音で、「ドラミング」と呼ばれます。ドラミングは森の中でよく響いて聞こえやすく、この音が聞こえたら立ち枯れている木を探してみましょう。ちなみに長野県に生息するキツツキは、おおむねコゲラ・アカゲラ・アオゲラのいずれかです。
ところで野鳥と出会うということは、必ずしも双眼鏡で野鳥を捉えることだけを意味しません。さえずりを聞くだけでもいいのです。森の静寂と澄んだ空気のなか、鳥たちと同じ空間を共有していることを感じましょう。
軽井沢野鳥の森
歴史ある野鳥の宝庫をガイドといっしょに歩いてみよう
「日本野鳥の会」をつくった中西悟堂は、軽井沢を日本の三大野鳥生息地のひとつと数えました。そのような経緯もあり、1974年に環境省(当時は環境庁)によって「軽井沢野鳥の森」が指定されました。
浅間山山麓に広がる広大な国有林の一角には、野鳥などの生き物を観察するための遊歩道があり、野鳥観察をするのに最適。ゆるやかなアップダウンの小路を、鳥の声を聞いたり観察したりしながら、ゆっくりと1時間から1時間半くらいかけてめぐりスタート地点に戻るのが一般的です。初めての人は、この森で野生動物ウォッチングをおこなう「ピッキオ」のネイチャーツアーに申し込んで、スタッフと一緒に歩くのもおすすめです。ツアーはほぼ毎日受け付けていて、森と野生の動植物に詳しいスタッフからさまざまなことを学べます。約2時間のツアーを終えて戻ったときには、子どもたちも大満足の笑顔になっていることでしょう。
詳細はピッキオの公式サイトのご予約受付にて
https://picchio.co.jp/tour/83
戸隠森林植物園
神話とそばの里は、広大な野鳥の楽園でもありました
戸隠山麓の広大な森は野鳥の宝庫といわれ、周辺はそばや神社で有名ですが、実はバードウォッチャーの憧れの地でもあるのです。その一角を占める「戸隠森林植物園」は一般の人でも歩きやすい遊歩道が巡らされた広大な森です。園の入り口に建つ「八十二 森のまなびや」は、この森で見られる野鳥をはじめとした動植物の説明が充実しているので、絶好の起点になります。
入館無料ですが、代わりに入り口に置かれた巣箱にどんぐりをひとつ入れるのが決まり。もちろん自分で拾ったどんぐりでもいいのですが、拾えない季節でも箱の脇に用意してあるので大丈夫。入れてもらったどんぐりで入場者数が記録され、それが運営に活かされるのでぜひご協力を。
「八十二 森のまなびや」は冬季閉館していますが、「戸隠森林植物園」を歩くのはオールシーズン可能です。森林植物園の位置は戸隠神社中社、戸隠神社奥社、戸隠キャンプ場がつくる三角形のちょうど真ん中あたり。キャンプや参拝と組み合わせて旅の計画を立ててみるのもいいでしょう。
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