厳しい寒さが生んだ、美しい氷のカーテン
木曽郡木曽町、木曽御嶽山の麓。最低気温が−10℃から−20℃にまで冷え込むといわれるこの地だからこその風物詩が「白川氷柱群」です。木曽水系の西野川沿いの岩壁に、年によっては幅約250m、高さ50mにもおよぶ巨大な氷柱が連なる姿は、さながら氷のカーテン。青白く輝く姿が幻想的であり、牙のような鋭い氷柱には自然への畏怖も感じさせられます。
長野県内のとくに冷え込みの厳しい高標高地では滝などでもみられる現象ですが、白川氷柱群のような広範囲におよぶ氷柱は日本全国でも珍しいものなんだとか。なぜこのような風景が生み出されるかというと…、正体は御嶽山からの伏流水。西野川に浸み出す伏流水が岩壁の上から、途中から滴り、凍っているのです。 滲み出た伏流水が少しずつ、少しずつ凍り、氷柱が姿を現すのは12月頃。そして、とりわけ寒さが厳しくなる1月から2月にもっとも大きく育った姿が見られます。
迫力満点の氷柱鑑賞は夜のライトアップもおすすめ
車で来訪した場合、県道20号線沿いけやきの湯入り口チェーン脱着場に停めて、けやきの湯の裏手から川岸に降りましょう。県道から全容を眺めるのも圧巻ですが、ぜひ川岸まで降りて見学するのがおすすめ。氷柱群が持つ圧倒的な迫力は、近づくほどに増していくからです。雪深いときもあるので、防寒とあわせて相応の装備で臨みましょう。
昼間、太陽の光を浴びて青白い氷柱群はさまざまに表情を変えていきます。撮影をするなら、日光が当たる午前中のほうがおすすめです。日中の姿だけでも十分に美しいですが、さらなる見どころは、日没後。見頃となる1月から2月にかけて、17時30分頃から21時30分頃までライトアップされるのです。その姿は昼の清々しさとは一転、妖艶な美しさをみせてくれます。
自然の織りなす幻想的な芸術作品を撮影しようと、多くのカメラマンも足を運ぶ人気の撮影スポットですが、さらに、愛好者たちの間では、消灯後の満点の星空鑑賞も合わせて楽しまれる方も多いそうです。
けやきの湯は宿泊も、日帰りの入浴も可能。氷柱群をみたあとは、けやきの湯で身体を温めてから帰るのもおすすめです。
閲覧に基づくおすすめ記事