良質なブランド牛を育む長野の気候
3,000m級の山々が連なる雄大な自然環境と、そこから流れ出る清らかな水と空気。長野県の畜産農家の多くは、牛にとってストレスが少ない環境と衛生的な畜舎で、良質な飼料を与えながら飼育しています。農家ごとにさまざまなこだわりを持って飼育された牛は、長野県のブランド牛としてスーパーや精肉店などに並んでいますが、実際にお店に出かけてみると、何を選んでいいか迷ってしまいますよね。そこで、よく見かける長野県のブランド牛について少しご紹介します。
最初に紹介するのは「りんごで育った信州牛」。信州牛生産販売協議会が定めた事柄をクリアした黒毛和牛の牛肉を認定しているもので、その名の通りりんごジュースを絞ったあとに出る滓(かす)や、味噌や醤油づくりの過程で出る大豆の煮汁など、長野県ならではの食品の副産物が使われています。色調が鮮やかな霜降りの肉は柔らかく、旨味が濃いのが特徴です。「信州和牛」は由緒ある黒毛和牛を改良したもので、大麦やトウモロコシ、ふすまなどを主原料にした飼料を与えています。照り感があるきめこまやかな霜降りは、肉質に優れたまろやかな牛肉です。ほかにも「信州アルプス牛」や「阿智黒毛和牛」「信州峯村牛」、そのほかにも地域や生産者のこだわりにより、まだまだ多くのブランドがあります。
知るほどに奥が深い長野県のブランド牛...。ますますどれを選んだら良いか迷ってしまいますよね。そこで今回おすすめしたいのが「信州プレミアム牛肉」です。
安心の「信州プレミアム牛肉」
「信州プレミアム牛肉」とは、ブランド牛の1種を指すものではなく、長野県が認定した独自の基準を満たし、認定した牛肉をいいます。その要件は複数ありますが、なかでも長野県が認定する「信州あんしん農産物」生産認定農場で育った牛であることが基本です。認定農場では県が定期的に衛生管理状況や細菌検査を行い、基準をクリアした牛1頭ごとに個体識別番号を付けて生産者や環境、飼料などを把握。食品偽装問題や家畜の病気といった消費者の不安を取り除くべく、安全・安心でおいしい牛肉を届ける仕組みが整えられているのです。認定農場から出荷された牛肉で、さらに〝一定の条件〟を満たしたものが「信州プレミアム牛肉」に認定されます。
〝一定の条件〟でとくに大事なポイントは、「おいしさの基準」として長野県がいち早く注目し研究を進めた「オレイン酸」の含有率と「脂肪交雑(BMS)」です。オレイン酸とは不飽和脂肪酸のひとつで、長野県の調査では香りの高さや口どけの良さの指標となることが分かりました。一般的に血液中の悪玉コレステロールを下げる働きも知られています。脂肪交雑(BMS)は社団法人日本食肉格付協会の基準で、脂肪の度合いを12段階に区別したものです。この2つを測定して図の①から③のいずれかに該当した場合、牛肉の肉質はやわらかく脂肪の口どけが滑らかで、和牛香が高いと評価され、「信州プレミアム牛肉」として認定されます。
特別な日は自宅で信州プレミアム牛肉を!
こだわりが詰まった「信州プレミアム牛肉」を自宅で楽しむなら、まずはやっぱりすき焼きです。 リブロースのスライスなら、牛肉ならではの芳醇な旨味が存分に味わえます。ほかにも旬の野菜を巻いた肉巻きもおすすめです。
ステーキなら、噛むほどにジューシー感が味わえるもも肉が良いでしょう。一般的にもも肉は赤身が多いですが、信州プレミアム牛肉はサシも入っているので加熱してもやわらかいのが特徴です。長野県産のわさびや岩塩でシンプルに味わえば、牛肉の旨味や香りを存分に引き出してくれるはずです。
最近では信州プレミアム牛肉を購入できる通販サイトや紹介サイトが登場し、遠方に住んでいる方や贈り物を求める方たちに好評です。たとえば、長野の豊かな自然と大地の恵みを受けて育った特産品をお届けする「NAGANOマルシェ」。長野県が運営する「おいしい信州ふーどネット」は、信州プレミアム牛肉をはじめ長野県の豊かな風土に育まれたこだわりの農畜水産物を一堂に集めて紹介。長野県内で購入できるお店や、料理を提供している飲食店、宿泊施設を検索することができます。
贈答用に購入したい方には、たとえば長野県飯田市にある精肉卸・加工を営む吉清の通販サイト「お肉の時間。」がおすすめ。飯田市の伝統工芸である水引を用いたラッピングで届けてくれます。大切な方の贈り物や家族団欒の食卓に、信州プレミアム牛肉を選んでみませんか。
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