安曇野市の冷涼な気候と湧水で育ったわさび。 香りと風味をお取り寄せ
日本有数の産地・安曇野の本格生わさびをおうちでも。
北アルプスの湧水でわさびを栽培している「黒岩わさび園」に
わさびの特徴や効能、地元ならではのおいしい食べ方を聞きました。
希少価値が高い安曇野の本わさび
わさびの生産量日本一位を誇る長野県(※1)。生産の大部分を占める安曇野は、複合扇状地という地形と、北アルプスの雪解け水による豊富な湧水に恵まれた、わさびの生育に適した環境です。 「黒岩わさび園」代表の黒岩卓郎さんは「本わさびの生産量が多い静岡わさびは、築地にも流通し知名度が高いです。一方で、安曇野の本わさびは、地元で加工調理されるので、全国にはあまり出回りません。かつ粘り気がある静岡の本わさびと比べて、さらりとした口当たりが特徴。まろやかなコクを料理に生かしたい、という銀座の予約制寿司店などからお取り扱いの依頼をいただくことが多くなりました」と語ります。
※1参照 「平成30年特用林産物生産統計調査 確報 平成30年特用林産基礎資料 」
長野県は、本わさび(根茎)と葉柄を合わせた生産量が日本一位
本わさび(根茎)のみの生産量では、静岡県が日本一位
また、わさび田は安曇野を象徴する風景のひとつ。市内には約15ha、東京ドーム10個分あまりという広大な敷地を持つ「大王わさび農園」があります。映画やテレビドラマの舞台にもなった園内では、生わさびを使ったソフトクリームやコロッケも味わえます。ほかに、環境省が行った「名水百選総選挙」(2015年)で、2部門の1位に選ばれた「安曇野わさび田湧水群」も。安曇野では平地式の栽培方法のため、市街地の近くでもわさび田を見かけます。安曇野ICからアクセスも良く、周辺にはギャラリーや美術館も多いので、観光客に人気のドライブスポットです。
わさびの種類や効能いろいろ
市販のチューブ入りわさびの多くには、ヨーロッパ原産の西洋わさびや香料が練りこまれていますが、日本原産の本わさびには、さわやかで少し甘みのあるわさび本来の香りを感じられます。 代表的な辛み成分は、抗菌効果や消臭作用、食欲増進作用があるといわれているアリルイソチオシアネート。すりおろすことで、この成分が空気にふれ、強い辛みと香りを引き立てます。 ちなみにわさびの栽培方法は、豊富な清流で育てる「沢わさび(水わさび)」と、冷涼で湿気の多い畑地で育てる「畑わさび(陸わさび)」の2種類。長野県で栽培されているほとんどは、軟水の湧水をいかした沢わさびです。
しかし、わさびの栽培は繊細で、気候風土に左右されるため、生産者が水田ごとに独自の品種改良を重ねて、さまざまな品種からわさびをつくり続けています。黒岩わさび園で主に栽培している品種は沢わさびの「賀茂自交(かもじこう)」。2018年の「全国わさび品評会・丸掘りの部」で、特賞を受賞しました。 比較的大きく育ち、すりおろすと水分が多く、サラッとしていて、透き通った色をしています。オンライン通販でも購入できます(420円~)。根茎のボツボツは、葉が落ちた跡。らせん状になっていて、間隔が均一なものがいいわさびの目印といわれています。
おすすめ! わさびの食べ方
黒岩さん親子に、地元ならではの食べ方をうかがいました。まずはわさびのおろし方。鮫皮おろしを使って、根からではなく、茎の方からおろします。切り口に少し砂糖をつけて、円を描くようにゆっくり、なるべく空気に触れさせるようにすると、わさび特有の香りが広がり、そのまま数分置いておくと、より辛みが引き立ちます。
シンプルに味わうなら「わさび丼」。温かいご飯に鰹節、すりおろしたわさび、刻みのりをかけて、しょう油を少したらしていただきます。ほかに、ステーキや焼き鳥、角煮など、お肉との相性もよくおすすめです。
生わさびのほか、わさび漬けやわさびのり、わさびふりかけなど加工品も人気です。根茎ではなく花を使った「わさびの花のおひたし」は、春の風物詩として地元で親しまれている逸品。わさびの花は、生のままでは辛みはありませんが、熱を通してしばらく置くと、わさび特有の香りと辛みが出てきます。黒岩わさび園では3月~4月半ばごろまで、ネット通販をしていますが、すぐに完売となることも多いそう。春先だけの旬の味も、ぜひお試しください。
取材協力:黒岩わさび園
https://azuminowasabi.com/
オリジナルのyouTubeチャンネルでも、おいしいわさびの食べ方などが紹介されていますので、ぜひそちらもご覧ください。
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