松茸小屋から立ち上る豊かな香りが、上田の秋の風物詩
林野庁の統計によると、長野県の松茸生産量は日本一。気象条件などによって左右はされますが、2016年のデータでは国内の総生産量69.4tに対し、長野県はその65%にのぼる42.5tと、圧倒的なシェアを誇っています。松茸には今のところ実用的な人工栽培技術がないため、山林に恵まれた信州は、育つのに理想的な環境なのでしょう。
上田市では塩田平の山際を中心に、例年、9月下旬頃から松茸小屋がオープンし、多くの人に秋の訪れを感じさせてくれます。提供されるのは、その日に採れたばかりの松茸を使った松茸ごはんや土瓶蒸し、松茸鍋、焼き松茸など。焼ける香りも歯ごたえも格別の「秋の味覚の王様」を存分に堪能できます。近隣の直売所では、秋野菜やきのこ類と一緒に、地物の松茸が並ぶことも。グルメ旅の帰りには、お土産探しに覗いてみるのもおすすめです。
全国有数のブランド松茸を、気軽に味わえる贅沢
八ヶ岳山麓、標高1000mに位置する南相木村も、松茸の産地として知られていて、一級品のブランドものとして全国的にも高い評価を得ています。例年のシーズンは9月下旬から11月上旬頃。時期ともなれば村内の直売所に、全国有数の味と香りを誇る逸品が並びます。10月上旬には村商工会主催のイベントが行われ、松茸ご飯が振る舞われるのも産地ならではの贅沢です。温泉施設「滝見の湯」では、松茸ごはんや松茸そばなどのセットメニューを期間限定で提供。秋ならではの豊かな味覚に、湯上がりの体もいっそう喜びそうです。
廃校校舎を活かして、最高級品松茸のコースを提供
伊那谷南部の豊丘村では9月下旬から10月が松茸シーズン。香り、味、歯ごたえの三拍子揃った「一級品」を求めて、全国から多くのファンが訪れます。豊丘産松茸の質の高さは、水はけの良い伊那谷特有の土壌や気候など、松茸の発生に適した条件が揃っているから。アカマツが村木になるほど赤松林が多いのも、条件の良さを示しています。
飯伊森林組合の豊丘事務所のほか、村内には松茸専門店もオープン。しめじ類やくりたけ、あみたけなども店頭に並び、野趣溢れるお土産選びには事欠きません。松茸料理では、地域の人たちが廃校を活用して運営する「堀越まつたけ観光」など、ユニークな試みも多数。完全予約制で、木造の旧分校校舎の趣と共に、地元の朝採れ松茸を使ったすき焼きや焼き松茸、土瓶蒸しなど、松茸づくしのコースを味わえます。
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